葬儀関係費とは,葬儀(訪問客の接待,遺体の処置も含みます)やその後の法要(四十九日,百箇日の法要等)・供養等を執り行うために要する費用,仏壇・仏具購入費,墓碑建立費等のことをいいます。要するに,「お葬式」の費用だけでなく,その後一般的に執り行われる儀式に関しての費用等も含むということです。

自賠責保険基準では,原則60万円,必要かつ相当な出費であれば100万円を上限に認められます。裁判所基準では,原則150万円が上限となっています。他方,現実の支出額が150万円を下回る場合,実際の支出額の範囲内で賠償額が決められます。
| 現実の支出額 | 賠償額 | |
|---|---|---|
| 170万円 | → | 150万円が上限 |
| 120万円 | → | 120万円が上限 |
実際の支出額が150万円を超えているのに,150万円が原則として上限とされてしまうことについて不思議に思われるかもしれません。この点については,
などが理由とされています。
もっとも,150万円以上の葬儀関係費等が一切認められないわけではありません。銀行支店長(男性49歳)が交通事故によって死亡した事案では,支店長としての社会的地位から相当大規模な葬儀をせざるを得なかったとして,200万円の葬儀関係費用が認められています(札幌地裁平成13年7月11日判決)。
また,独身会社員(男性32歳)が交通事故によって死亡した事案では,葬儀関係費として現実に257万円を支出したことが裁判上で証拠によって明らかにされたため,その内の200万円が損害額として認められています(横浜地裁平成19年8月9日判決)。
このように,被害者の方の社会的地位や現実の支出額についての証拠の有無などによって,150万円以上の葬儀関係費が認められることもありますので,一度当事務所へご相談ください。

