第1 有職者 ― 1 給与所得者

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事故日
平成8年5月
被害者
普通科高校を卒業して中堅ゼネコンに就職して事務職15年目の33歳の独身の男子従業員
事故前収入
年収495万円
労働能力喪失率
100%(死亡)

逸失利益の算定

 年齢が33歳であり,稼働歴も15年と長く,その他職種等からみて,原則どおり基礎収入を実収入額とし,生活費控除率50%,33歳から67歳までの34年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である16.1929を乗じて算定する。

計算式

495万円×(1-0.5)×16.1929=4007万7427円

事故日
平成9年3月
被害者
大学を卒業して中堅信用金庫に就職して2年目の24歳の男子従業員
事故前収入
年収290万円
労働能力喪失率
35%(傷害)

逸失利益の算定

 事故前の実収入額は,平成9年の大卒男子の20歳ないし24歳の平均賃金である322万8800円とそれほどの差異はなく,生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められるから,基礎収入を平成9年の大卒男子の全年齢平均賃金である687万7400円とし,これに,労働能力喪失率の35%,及び,24歳から67歳までの43年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である17.5459を乗じて算定する。

計算式

687万7400円×0.35×17.5459=4223万4560円

事故日
平成9年3月
被害者
工業高校を卒業して大手電機会社の工場で現業に就いて10年目の28歳の男子従業員
事故前収入
年収400万円
労働能力喪失率
20%(傷害)

逸失利益の算定

 事故前の実収入額は,平成9年の男子の25歳ないし29歳の平均賃金である430万4900円とそれほどの差異はなく,生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められるから,基礎収入を平成9年の男子の全年齢平均賃金である575万0800円とし,これに,労働能力喪失率の20%,及び,28歳から67歳までの39年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である17.0170を乗じて算定する。

計算式

575万0800円×0.2×17.0170=1957万2272円

事故日
平成9年1月
被害者
中学を卒業直後から飲食店(和食)で板前の修業にはいり,現在の店は2軒目で5年目の23歳の男子従業員
事故前収入
年収180万円
労働能力喪失率
45%(傷害)

逸失利益の算定

 事故前の実収入額は,平成9年の中卒男子の20歳ないし24歳の平均賃金である327万9700円と比較して45%以上も低いが,板前という職業柄,見習い期間中の収入は少ないとしても一人前になれば相当の収入が得られるであろうこと,及び,本人が中卒後一貫して板前を目指して修業し,一定の店でそれなりの期間勤めていることから,将来一人前の板前になる蓋然性が認められ,生涯を通じて考えた場合,少なくとも中卒男子の全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められるから,基礎収入を平成9年の中卒男子の全年齢平均賃金である510万1700円とし,これに,労働能力喪失率の45%,及び,23歳から67歳までの44年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である17.6627を乗じて算定する。

計算式

510万1700円×0.45×17.6627=4054万9408円

事故日
平成9年1月
被害者
高校を卒業して中堅機械製作所に事務員として勤務して2年目(途中転職あり)の27歳の女子従業員
事故前収入
年収240万円
労働能力喪失率
27%(傷害)

逸失利益の算定

 事故前の実収入額は,平成9年の女子の25歳ないし29歳の平均賃金である347万0800円と比較するとかなり低額であるが,勤務して2年目であること,主婦の逸失利益との均衡等を考慮すると,生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められることから,基礎収入を平成9年の女子の全年齢平均賃金である340万2100円とし,これに,労働能力喪失率の27%,及び,27歳から67歳までの40年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数である17.1590を乗じて算定する。

計算式

340万2100円×0.27×17.1590=1576万1691円

(判例タイムズ1014号 52頁乃至62頁)


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