修理・買い替えに必要な期間,車両を使用できないために必要となった代車の費用です。
代車を実際に使用したこと及び使用する必要性があったことを前提に,現実に要した期間のうちのある程度の期間について認められます。代車としては,事故車と同程度のものが認められるのが原則ですが,事故車が輸入高級車である場合,国産車とされることもあります。
なお,現実に代車を使用したとしても,事故車以外に車両を持っているような場合は,代車を使用する必要性がないので,認められません。また,代車を実際に使用しない場合も,認められません。
交通事故による怪我の治療に労災保険を使う際,必要となる届です。
書式は,労働基準監督署から入手します。
「財団法人労災保険情報センター」のホームページには,届出書の記入例が記載されていますので,それに従って記載し,労働基準監督署長に,2部提出します。
その際は,交通事故証明書や念書等の資料を添付することが必要です。
交通事故による怪我の治療に健康保険を使う際,必要となる届です。
健保組合加入の場合,事業所の社会保険担当者を通じて健保組合から入手し,事業所の社会保険担当者を通じて健保組合に提出します。
一方,国民健康保険加入の場合,市町村の窓口(国保係など)から入手し,そこに提出します。その際は,交通事故証明書や念書等の資料を添付することが必要です。
医師や他人が見ることのできる症状のことです。
後遺障害の等級認定においては,他覚症状が認められることが前提となりますので,画像所見(レントゲン・CT・MRI),神経根症状誘発テスト(ジャクソンテスト・スパーリングテスト),あるいは知覚検査等により,他覚症状に関する所見を得ることが必要となります。
交通事故による損害として認められる治療費は,病院などの医療機関に支払った必要かつ相当な実費の全額です。そのため,受けた診療が過剰診療,高額診療または濃厚診療であるとの理由によって,必要かつ相当なものでないと判断された場合は,その分の治療費は損害として認められません。
また,症状固定後の治療費は原則として認められませんので,交通事故の賠償金に関する示談交渉においては,症状固定時期の判断は非常に重要な意味を持っています。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」のことです。平均賃金の数値が記載されています。
具体的には,症状固定時あるいは事故当時の年度の調査の,第1巻第1表の数値を用います(全年齢平均を用いるのか年齢別を用いるのかといった点は,場合により異なります。)。
もともと交通事故のために作られた統計ではないのですが,専業主婦の方のように労働力が数字として証明しづらい方の場合,賃金センサスの平均賃金を「もし給料としてもらうのならこのくらいだったはず」と仮定することで,休業損害などを計算して請求することが交通事故の実務上行われており,当事務所の解決例でもこれにより専業主婦の方の「休業損害」が認めてもらった例は複数存在します。
髄液の減少により,脳の位置の保全に問題が生じて,頭痛,吐き気,めまい等の症状をもたらす障害です。以前は非常にまれな病気であると考えられてきましたが,交通事故のむち打ちを受傷機転として起こることがわかってきました。
低髄液圧症候群に対しては,患者自身の血液を使うブラッドパッチという治療方法がありますが,現在,ブラッドパッチには保険適用がなく,治療を受けようとすると高額の診療報酬を支払わなければならないため,厚生労働省への要望が続けられております。
後遺障害の認定については裁判で激しく争われていますが,交通事故によるものと認められた裁判例は少なく,現在のところ,自賠責制度の運用においては,後遺障害としては認められてはいませんし,任意保険会社についても,任意交渉の段階ではブラッドパッチについての治療費を支払ってもらうのは非常に厳しい状況です。
交通事故が起こると間もなく相手方任意保険会社から記入するよう求められる書類です。
同意書には「医療照会同意書(兼個人情報提供の同意書」と「一括対応の同意書」の2種類があるのが一般的です。
これらは,前者については,保険会社が,(1)医師に対して,治療の見込み時期を尋ねたり,(2)後遺障害認定の手続において,医師からレントゲン,MRIや診療報酬明細書を取り付けたりする際に,本人の同意があることを示すためのものですし,後者については,任意保険会社が一括対応を行うために取り付けるものです。
初めて事故に遭われた方の中には,このような書面にサインをしてしまうと何か不利益を受けるのではないかと不安に思われる方が少なからずおられます。
しかし,個人情報の同意書を出さなければ保険会社が直接病院に治療の具体的な内容を聞くことが出来ない結果,直接治療費を保険会社が病院に払うという対応も出来ないことになり,自分で治療費等をいったん立て替えてから保険会社に改めて請求するという遠回りな方法になってしまいます。
それに,一括対応をしてもらえないとすると,自分で自賠責の保険会社と任意保険会社の2つの窓口に対応をしなければならず,より面倒なことになります。
つまり,どちらもサインすることで被害者の方の負担を減らすことになる書面であり,実際上これにサインしたことにより不利益を受けることは想定し難いので,特別な事情がない限りサインをしても大丈夫です。

