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交通事故の示談金(慰謝料)はいつ振り込まれる?支払いを早める方法

交通事故の示談金(慰謝料)はいつ振り込まれる?支払いを早める方法

「保険会社から示談書が届いた。早くお金が欲しいからサインしてしまおう」
このように考えていませんか?
結論からいうと、示談書を返送してから指定口座に振り込まれるまでは、1週間~2週間程度かかります。
しかし、お金を急ぐあまり、今の金額ですぐに示談を成立させてしまうのは非常に危険です。

この記事では、示談金の振り込みスケジュールの目安とともに、示談を急がずに当面の生活費(現金)を確保する「支払いを早める制度」について弁護士が解説します。

この記事でわかること
  • 示談書にサインしてから示談金が振り込まれるまでの期間の目安
  • 示談成立前でも当面の生活費(現金)を受け取れる2つの制度
  • 示談を急ぐリスクと、弁護士に依頼して適正な賠償金を受け取るメリット
目次

交通事故の示談金はいつ振り込まれる?【示談成立後のスケジュール】

保険会社から示談書が届くと、「これにサインしたらいつ頃手元にお金が入るのだろう」と気になりますよね。
治療費の立て替えなどで経済的な負担が大きくなっている場合は、1日でも早く振り込んでほしいと焦るお気持ちもよくわかります。

ここではまず、示談書にサインをしてから実際に指定口座へ示談金(慰謝料など)が振り込まれるまでの、一般的なスケジュールについて解説します。

なお、示談に当たっては、示談書の一種である「免責証書(めんせきしょうしょ)」という書類が使われることが多いです。免責証書であれば、被害者の署名・捺印のみで手続が進みますので、加害者側の署名を待つ必要がありません。

書類を返送してから「1週間〜2週間」が目安

結論からお伝えすると、示談金が振り込まれるまでの期間は、サインした書類を保険会社に返送してから「1週間〜2週間」が一般的な目安です。
手続の流れとしては以下のようになります。

  1. 書類の返送: 被害者が示談書の内容を確認し、署名・捺印をして保険会社へ返送します。
  2.  保険会社の内部手続: 返送された書類が保険会社に到着後、担当部署で内容の確認が行われます。
  3. 振り込み:指定した銀行口座へ示談金が振り込まれます。

振り込みが遅れてしまうケース

基本的には2週間以内に振り込まれることが多い示談金ですが、以下のようなケースでは支払いが遅れてしまうことがあります。

  • 書類に不備がある
    返送した書類に「署名や捺印の漏れ」「指定口座の記入ミス」「印鑑証明書などの必要書類の添付忘れ」があると、書類の差し戻しや確認作業が発生し、振込みが大幅に遅れてしまうでしょう。
  • 土日祝日や長期連休を挟んでいる
    保険会社や金融機関の休業日(土日祝日、年末年始、ゴールデンウィークなど)を挟むと、その日数分だけ手続がストップするため、着金が遅くなります。
  • 加害者側の署名が必要で、対応が遅れている
    免責証書ではなく、加害者と被害者双方の署名が必要な「示談書」で手続をする場合、加害者が書類の確認や返送を怠っていると、いつまでも手続が進まず振り込みが行われません。

「2週間以上経っても振り込まれない」という場合は、書類の不備や手続の進捗状況について、速やかに保険会社の担当者へ確認を取ることをおすすめします。

早く振り込んでほしいからと、慌ててサインするのは待った!

「示談書を送れば、数週間くらいでお金が振り込まれるんだな。生活費も厳しいし、早くサインして送ってしまおう」

もし今、そのようにお考えなら少しだけお待ちください。
手元に現金がないと焦ってしまうお気持ちは痛いほどわかりますが、お金を急ぐあまり、目の前にある示談書へ安易にサインをしてしまうのは非常にもったいないかもしれません。
その理由は大きく2つあります。

【理由1】一度示談が成立すると、原則やり直しができないから

示談書にサインをして合意が成立すると、法的な効力が発生します。
そして、そういった書面には「この金額で今回の事故についての賠償はすべて終わりにします」という意思表示をする項目があるのが一般的です。

そのため、サインをしたあとになってから、「自分で調べたら、もっと高い慰謝料をもらえるはずだった」「通院日数の計算が間違っていた気がする」などと思っても、原則として追加請求や示談のやり直しは認められません。
(※示談当時には全く予測できなかった後遺障害が後から判明した場合など、ごく例外的に追加請求が認められるケースはありますが、手続は非常に困難になります。)

【理由2】提示されている金額は「適正な金額」より低い可能性が高いから

相手方の保険会社から送られてきた示談書に書かれている金額は、本当に「適正な金額」なのでしょうか?
実は、保険会社が提示してくる金額は、自社の基準(任意保険基準)で計算された低めの金額であるケースが多いです。
保険会社の立場になって考えた場合、支払う賠償金をできるだけ低く抑えようとするだろうことは、想像できると思います。

一方で、本来被害者が受け取るべき適正な金額は、過去の裁判例に基づいた「弁護士基準(裁判所基準)」という通常もっとも高い基準で計算されます。

「早く振り込んでほしいから」と保険会社の提示額ですぐにサインしてしまうと、本来受け取れるはずだった金額(弁護士基準)から、数十万円、重傷の場合は数百万円も損をしてしまう可能性があるのです。

お金が早く必要な状況につけこまれて低い金額で丸め込まれないよう、冷静な判断が必要です。
「でも、生活費のためにどうしても早くお金が必要なんだけど…」という方のために、次は示談を急がずに当面の現金を受け取る方法について見ていきましょう。

示談前に現金を受け取る(支払いを早める)2つの方法

「示談を急いではいけない理由はわかったけれど、ケガで仕事も休んでいて、今すぐ手元に現金がないと生活が成り立たない……」

そのような不安を抱える方もご安心ください。
実は、低い金額で急いで示談を成立させなくても、当面の生活費や治療費として、最終的な示談金の一部を受け取ることができる制度が存在します。
主に以下の2つの制度を活用することで、示談成立前にまとまった現金を受け取ることが可能です。

自賠責保険の仮渡金制度

仮渡金制度とは、加害者が加入している「自賠責保険」に対して、被害者が直接まとまったお金を請求できる制度です(自動車損害賠償保障法第17条)。

最大のメリットは、示談成立前であっても、比較的スピーディ(請求から1週間程度)にお金を受け取れる点です。受け取れる金額はケガの程度によってあらかじめ決められており、傷害の場合は以下のいずれかの金額が支払われます。

【受け取れる金額】

  • 40万円(大腿骨の骨折などの場合)
  • 20万円(上記に該当しない骨折など、一定のケガの場合)
  • 5万円(11日以上の治療を要するケガの場合)

必要書類をそろえて請求すれば、仮渡金はおよそ1週間程度で支払われますが、1回しか請求できず、受け取ったお金は最終的な賠償金から差し引かれることになります。
なお、最終的な金額が仮渡金の金額を下回った場合(またはご自身の過失が10割だった場合など)は、超過分を返還しなければならない点には注意が必要です。
当面の生活資金がすぐに必要な場合に、非常に頼りになる制度です。

任意保険会社の内払い

法律で定められた制度ではありませんが、加害者が加入している任意保険会社との交渉により、示談の成立前に示談金の一部を先払いしてもらえるケースがあります。
たとえば、「ケガで仕事を休んでおり、毎月の給料が入ってこなくて困っている」という場合、毎月の「休業損害」などを任意保険会社から支払ってもらえることがあります。
仮渡金が「1回限りのまとまったお金」であるのに対し、内払いは当面の生活費の補填として機能しやすいのが特徴です。

ただし、自賠責保険の仮渡金と同様、すでに受け取った金額分は最終的な示談金の総額から差し引かれることになります。また、内払いは、あくまで任意保険会社がサービスとして行っているものですので、内払いを強制することはできません。

お金を適正な金額で受け取るなら弁護士に相談を

当面の生活費を確保するための「仮渡金」や「内払い」は便利な制度ですが、ご自身で手続を行うのは手間や時間がかかります。だからこそ、交通事故に強い弁護士へご相談ください。弁護士に依頼することで、以下のメリットがあります。

  • 示談金の増額が期待できる

交通事故の損害に対する慰謝料の算定基準は、「自賠責保険基準」、「任意保険基準(各保険会社が定めている自社の支払基準)」、弁護士が代理人として交渉する際に通常使用する「弁護士(裁判所)基準」の3種類があります。
弁護士が介入すれば、通常もっとも高額になる「弁護士基準(裁判所基準)」で保険会社と交渉できます。そのため、保険会社が最初に提示してきた金額から、最終的な受取り額(慰謝料など)が大幅に増額するケースが多くあります。

【3つの算定基準のイメージ】

3つの基準による一般的な慰謝料額のイメージ 自賠責保険の基準<任意保険の基準<弁護士の基準

ご自身が受け取るべき慰謝料の適切な金額の目安を知りたい方は下記のコラムをご覧ください。
>>交通事故の慰謝料相場と計算シミュレーション|適切な額の慰謝料を受け取るためポイントを弁護士が解説

  • 「弁護士費用特約」を使えば費用の自己負担なしで依頼できることも

ご自身や一定範囲のご親族が加入している自動車保険などに「弁護士費用特約」が付帯されていれば、原則300万円までの弁護士費用を保険会社が負担してくれます。

多くの交通事故では弁護士費用が300万円の枠内に収まるため、この特約を使えば費用の持ち出しを気にせず、自己負担なしで弁護士に依頼できる可能性が高くなります。特約が使えるかどうか、まずはご自身の保険証券をご確認ください。

 

交通事故の示談は、一度サインしてしまうと基本的にやり直しはできません。

「早くお金が欲しい」「保険会社とのやり取りから早く解放されたい」と妥協してサインをしてしまう前に、まずは弁護士にご相談ください。

まとめ

示談金は、通常、サインして返送後1週間~2週間程度で振り込まれますが、「お金がないから」と妥協してサインすることは避けてください。
示談成立前でも「仮渡金」などの制度を使えば、当面のお金を手に入れることは可能です。

ご自身で複雑な手続をするのは大変ですが、弁護士にお任せいただければ、増額交渉により、示談金の増額が期待できます。
示談書にサインする「前」に、まずはアディーレ法律事務所へご相談ください。

この記事の監修者
南澤 毅吾

アディーレ法律事務所

弁護士 南澤 毅吾(みなみさわ きご)
資格:弁護士、英検1級、簿記2級
所属:第一東京弁護士会
出身大学:東京大学法学部

弁護士は、大学入試・司法試験など型にはまった試験を課せられてきており、保守的な考え方に陥りやすい職業だと私は考えます。依頼者の皆さまの中にも、「弁護士=真面目」、言い換えれば頭が固い、融通が利かないというイメージをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。私はそのようなイメージをぜひ打ち破りたいと思っています。「幅広い視野、冒険心・挑戦心、そして遊び心を持った弁護士でありたい」、「仕事に真摯に取り組むのは当たり前だが、それ以上の付加価値を皆さまにご提供したい」。それが私のモットーです。