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青点滅中の横断で過失3割は妥当?納得できないときの対処法

[ 公開日:2026/09/17 ] [ 更新日:2026/09/17 ]
青点滅中の横断で過失3割は妥当?納得できないときの対処法

横断歩道を青点滅で横断中の交通事故。
ケガの治療が続くなか、保険会社から一方的な過失割合の主張や、治療費の打ち切りを提示され、戸惑ってはいませんか。

保険会社の主張を鵜吞みにする必要はありません。
本記事では、過失割合の妥当性や、適正な補償を受け取るための方法を弁護士がわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 提示された過失割合(30:70)の妥当性と納得できない場合の対処法
  • 治療費の打ち切り(症状固定)を迫られた際の正しい対応
  • 適正な休業損害と、弁護士基準による賠償金の増額可能性
目次

横断歩道の事故で過失割合「歩行者30:車70」は妥当?

横断歩道を渡っていただけなのに、保険会社から突然「あなたにも30%の過失がある」と告げられ、戸惑いや不安を感じてはいないでしょうか。
ここでは、なぜ保険会社がその数字を提示してきたのか、そしてそれが本当に妥当な結論なのかについて法的な観点から解説します。

青点滅で横断開始した場合の過失割合

交通事故の過失割合は、担当者の感覚で決まるわけではなく、過去の膨大な裁判例を基準として、まずは「基本の割合」が算出されます。
道路交通法施行令において、歩行者用信号の「青点滅」は「歩行者は横断を始めてはならない」と明確に定められています。
そのため、青点滅になってから横断歩道に進入した歩行者と、青信号で交差点に進入してきた右折車(または左折車)との事故の場合、基本的な過失割合は「歩行者30:車70」とされるのが一般的です。

そこで、相手方の保険会社は、ドライブレコーダーの映像などから「青点滅になってから渡り始めている」という事実を切り取り、この基準を機械的にあてはめて「歩行者30:車70」と主張していると考えられます。
しかし、この「歩行者30:車70」という基本割合は、あくまで交渉の「スタートライン」にすぎません。

保険会社の提示が「絶対」ではない理由と修正要素

基本過失割合が30:70だからといって、その数字を鵜呑みにして諦める必要はありません。
実際の事故は一つ一つ状況が異なるため、個別の事情である「修正要素」を加味して、最終的な過失割合を決定すべきだからです。

たとえば、事故現場が住宅街など歩行者の多い場所だった場合は、過失割合の修正要素となります。また、運転者の著しい前方不注視や徐行違反があった場合も同様です。
これらの事情が認められれば、車側の過失割合が10%〜20%加算される(歩行者の過失割合が減る)可能性があります。

保険会社は賠償金を支払う立場にあるため、被害者に有利な事情を自ら探して提案してくれることはないと考えられます。
「提示された割合が絶対」だと思い込まず、ドライブレコーダーの映像や警察の実況見分調書などを専門家の目を通して正しく評価し直すことで、過失割合を修正できる可能性はあります。

保険会社の過失割合や提示額に納得できない場合の対処法

保険会社から提示された「歩行者30:車70」という過失割合に納得がいかないのであれば、諦めて示談に応じてしまわないようにしてください。
相手の主張を鵜呑みにせず、正しい手順を踏んで交渉することで、最終的な賠償金を増額できる可能性があるからです。
ここでは、適正な過失割合を勝ち取るための具体的な2つのアクションについて解説します。

客観的な証拠を集める

過失割合を見直すための第一歩は、事故当時の状況を示す「客観的な証拠」をしっかりと集めることです。保険会社は、ドライブレコーダーの映像から「青点滅で横断し始めた」という事実だけを強調して過失割合を主張している可能性があります。

実況見分調書には、当時の天候や視界、加害車両のスピード、ブレーキを踏んだタイミングなど、当事者の証言を基にした詳細な状況が記録されていることがあります。
この記録を取り寄せることで、「夜間で見通しが悪かったにもかかわらず、車は適切に徐行していなかった」「運転手側の前方不注視が著しかった」といった、相手方の大きな過失(修正要素)を客観的に裏付けることができるかもしれません。

示談する前に「弁護士基準」で再計算する

もう一つ重要なのが、保険会社の提示内容を「弁護士基準(裁判所基準)」で再計算することです。
交通事故の賠償金(慰謝料など)の計算方法には、保険会社が用いる「任意保険基準」と、過去の裁判例に基づいた「弁護士基準」が存在します。
保険会社が最初に提示してくる金額は、基本的に「任意保険基準」によって算出されています。
示談の前に弁護士が介入して「弁護士基準」で再計算を行うと、慰謝料などの賠償金全体が大幅に増額するケースが数多くあります。
示談が成立してしまうと、あとから内容を覆すことは原則として不可能です。
少しでも不満や疑問を感じたら、あせってサインせず、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

「症状固定」と言われたら?治療費打ち切りへの正しい対応

リハビリ中でまだ痛みや生活への支障があるにもかかわらず、保険会社から「そろそろ症状固定の時期ですね」などと治療費の打ち切りを打診されると、見放されたような不安を覚えるのは当然です。
ここでは、保険会社から治療費の打ち切りを打診された場合の対処法を解説します。

症状固定の判断は保険会社ではなく「主治医」が行う

「症状固定」とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めない状態を指します。
保険会社は、自社の目安となる期間(例「むち打ちなら〇ヵ月」など)が経過すると、症状固定を急かしてくることがあります。
しかし、症状固定の時期を決めるのは保険会社の担当者ではなく医師です。
まだ痛みがあり、リハビリによる回復が見込める段階で、保険会社の言葉に焦って治療を終了させる必要はありません。
まずは主治医に現在の症状を正確に伝え、治療を継続すべきか相談してください。
主治医が「まだ治療が必要」と判断すれば、その見解を基に治療費の支払い延長を交渉するとよいでしょう。

一方的に治療費を打ち切られてしまったら

延長の交渉を行っても、保険会社が一方的に病院への直接支払い(一括対応)を打ち切ってしまうケースもあります。そのような場合でも、医師が治療を必要としているのであれば、通院をやめるべきではありません。
ご自身の健康保険に切り替えて(健康保険組合等への「第三者行為による傷病届」の提出が必要)、費用を立て替える形で通院を継続しましょう。
医師が認める適正な治療期間であれば、立て替えた治療費やその期間の入通院慰謝料をあとから請求できる可能性が高いからです。

休業損害や慰謝料はどうなる?働く母親の補償

骨折により会社を休まざるを得ないだけでなく、思うように家事や子どもの世話もできなくなった場合、心身ともに大変な負担が生じることでしょう。
事故によって生じたこれらの損害は、「休業損害」や「慰謝料」として適正に相手方へ請求することが可能です。

会社員としての休業損害と主婦休損の比較

会社員として働きながら家事・育児も担っている「兼業主婦」の場合、休業損害の計算には特に注意が必要です。
通常、保険会社は「会社を休んで減った分の給与」だけを休業損害として提示してきます。
しかし、法律上は家事労働にも経済的価値が認められています。
そのため、実際の給与収入と、政府の統計(賃金センサス)における女性労働者の平均賃金を比較し、実際の給与が平均賃金を下回っている場合は、より高い平均賃金をベースに休業損害を算定できることがあります。

つまり、ご自身の実際の給与日額よりも賃金センサスに基づく平均賃金のほうが高い場合、主婦休損として計算したほうが手元に残る補償額は大きくなります。
しかし、保険会社のほうから「あなたにとって有利な計算方法」を教えてくれることは基本的にありません。
また、家事や育児に支障が出ているという事情は、慰謝料の交渉においても考慮されるべき要素です。
ご自身の正当な権利を守り、今後の生活不安を少しでも和らげるためにも、示談書へサインする前に弁護士へ相談することをご検討ください。

【まとめ】納得いかない交通事故の交渉は弁護士に相談を

交通事故によるケガと、家事や仕事への支障で大変な状況のなか、保険会社との交渉を一人で抱え込むのは大きな精神的負担になります。
保険会社の言い分を鵜吞みにして示談書にサインをする前に、まずは弁護士にご相談ください。
煩わしい交渉はすべて弁護士に任せ、ご自身の治療と生活の再建に専念しましょう。

交通事故被害でお困りの方は、ぜひお気軽にアディーレ法律事務所にお問合せください。

この記事の監修者
南澤 毅吾

アディーレ法律事務所

弁護士 南澤 毅吾(みなみさわ きご)
資格:弁護士、英検1級、簿記2級
所属:第一東京弁護士会
出身大学:東京大学法学部

弁護士は、大学入試・司法試験など型にはまった試験を課せられてきており、保守的な考え方に陥りやすい職業だと私は考えます。依頼者の皆さまの中にも、「弁護士=真面目」、言い換えれば頭が固い、融通が利かないというイメージをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。私はそのようなイメージをぜひ打ち破りたいと思っています。「幅広い視野、冒険心・挑戦心、そして遊び心を持った弁護士でありたい」、「仕事に真摯に取り組むのは当たり前だが、それ以上の付加価値を皆さまにご提供したい」。それが私のモットーです。