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交通事故のケガの治療で整骨院に通ってもいい?整形外科との違いや適切な慰謝料獲得のポイントを解説

[ 公開日:2025/12/08 ] [ 更新日:2025/12/08 ]

交通事故にあってケガをした方のなかには、むちうちなどの症状を和らげるために、「整骨院(接骨院)への通院を検討される方も多いでしょう。

しかし、整骨院に通うにあたっては注意しなければなりません。手順を間違えると、本来受け取れるはずの慰謝料が大幅に減額されたり、治療費の支払いが打ち切られたりしてしまう可能性があります。

この記事では、交通事故の被害者の方が後悔しないために、整骨院への通院で知っておくべきリスクと、慰謝料で損をしないための正しい通院方法について、弁護士が解説します。

この記事でわかること
  • 自己判断で整骨院にだけ通った場合のリスク
  • 整骨院に通いながら正当な補償を受けるためのポイント
  • ケガの治療中に弁護士に相談・依頼するメリット
目次

交通事故のケガで整骨院に通ってもいい?

交通事故によるケガの治療で整骨院に通院をしても、治療費や慰謝料を請求することは可能です。

しかし、整骨院だけに通院していると、賠償請求に必要な書類を入手できない・治療の継続性や医学的な記録が不十分になるといったことから、治療費や慰謝料額が認められなかったり減額されたりしてしまう可能性があります
整骨院の施術を有効に活用しつつ、賠償金請求において損をしないためにも、まずは整形外科の医師の指示を仰ぎ、病院と連携を取りながら治療を進めることが非常に重要です。

整形外科と整骨院では何が違う?

ここで、整形外科と整骨院の違いを見ておきましょう。

項目整形外科整骨院
資格者医師(整形外科医)柔道整復師
できること・診断・治療が可能
・注射、手術、投薬、MRIやCTなどによる精密検査、リハビリなどの医療行為
・診断書や後遺症診断書の発行
・施術のみ可能
・電気療法、温熱療法、運動療法などの施術行為
内容診断、検査(レントゲン、MRI)、投薬、注射、手術、リハビリテーション指示、診断書の作成捻挫、打撲、挫傷などに対する応急的・亜急性の施術
(電気治療、温熱療法、マッサージなど)
健康保険の対象すべての診療骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷などのみ
役割症状の原因を特定し、治療方針を決定する痛みや不調などの症状を緩和する

大きな違いとしては、整骨院や接骨院で施術を行う柔道整復師は、医師免許を持っていません。
そのため、柔道整復師は診察や診断ができないことになっており、整骨院や接骨院で受けられる施術は、「医療類似行為」であり「医療行為」ではないのです。

具体的にご説明すると、整骨院ではMRIやCTによる精密検査や手術、投薬といった医療行為はできません
画像検査によってケガによる痛みの原因を突き止めたり、手術などで根本的に治療したりするためには、整形外科を受診して治療をしてもらう必要があります

上記のような違いを知らずに整骨院に通った場合、被害者に不利益が生じる可能性があります。
適切な賠償金を得るために守るべきポイントの詳細については、次の章で詳しく解説します。

「交通事故で整骨院はダメ」と言われる理由

一般的に、整骨院への通院が問題視されるのは、下記のようなリスクがあると予想されるからです。

  • 診断書を書いてもらえない
  • 「後遺障害等級認定」が受けられないことがある
  • 慰謝料が減額される、または支払われないことがある
  • 治療費の支払いを早期に打ち切られる可能性がある

診断書を書いてもらえない

整骨院で施術を行うのは柔道整復師です。柔道整復師は医師ではないため、診断書を書くことはできません。
診断書を書いてもらえないと、加害者側に治療費や慰謝料などの損害賠償金を請求するための証拠資料を揃えられなくなってしまうため、注意が必要です。

「後遺障害等級認定」が受けられないことがある

交通事故によるケガの治療を続けても症状が改善せず、万が一後遺症が残ってしまった場合、「後遺障害等級認定」という手続を経て、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求する流れとなります
後遺障害等級認定の申請には「後遺障害診断書」という書類が必須となりますが、これを作成できるのは医師だけであり、整骨院で施術を行う柔道整復師は作成できません。

ですから、整形外科に通院せず、整骨院にだけ通院した場合、後遺障害等級認定の申請が不可能になってしまうのです。

慰謝料が減額される、または支払われないことがある

医師の許可なく整骨院に通った場合、その通院期間は、加害者側の保険会社から「医師の管理下にあった治療ではない」と主張され、通院期間として認められない場合があります。
交通事故の慰謝料の一つである「入通院慰謝料」は、原則として医師の診断に基づいた治療期間を基準に計算されるため、本来受け取れるはずの慰謝料額が減額されてしまうおそれがあります。

治療費の支払いを早期に打ち切られる可能性がある

医師の指示なく整骨院に通院している場合、保険会社は「被害者が自分の判断で通っているだけ」とみなし、「治療の必要性がない」として治療費の支払いを早期に打ち切ってしまうことがあります。

交通事故で整骨院に通うための主なポイント

ここでは、ご紹介したリスクを回避し、整骨院での治療と適切な賠償を両立するためのポイントを解説します。

【ポイント1】事故直後は必ず整形外科を受診する

交通事故にあったら、まずは整形外科を受診しましょう。
理由は下記のとおりです。

  • 負傷した部位について自覚症状が軽くても、のちのち症状が出てくる可能性がある
  • 整形外科に行かずに整骨院へ行っても、治療や検査に対応してもらえない場合がある
  • 整骨院ではレントゲン検査やMRI検査などを受けられないため、重大な症状が発生していても発見されないおそれがある
  • 病院で診療を受けなければ、事故直後のケガの状況について詳しい記録や診断書などを作成してもらえない
  • 詳しい記録や診断書がないと交通事故とケガとの因果関係の証明が難しくなり、損害賠償請求に影響が出る可能性がある

【ポイント2】医師から整骨院通院の許可を得る

整骨院に通いたい場合は、自己判断で通い始めるのではなく、必ず整形外科の担当医に相談し、「整骨院での施術が必要である」という許可を得るようにしましょう。
医師の許可を得ていれば、保険会社からも整骨院への通院の必要性を認められやすくなります。

また、過去の裁判例によると、裁判所は「整形外科医の指示の有無」を整骨院通院の必要性の重要な判断基準の一つとしていると考えられます。
医師から許可を得られた場合には、その旨を診断書やカルテなどに記載してもらっておけば、万が一裁判で争うことになっても被害者側の主張が通る可能性が高まります

【ポイント3】整形外科への定期的な通院を続ける

整骨院に通院し始めても、整形外科への通院は続けるようにしてください。
月に1回以上は定期的に整形外科で診察を受け、症状の経過や今後の治療方針、症状固定の時期などを医師に判断してもらうことが大切です。

医師が症状の経過を定期的に観察し、整骨院での施術が必要であると判断していることで、整骨院の治療費を受けとれる可能性が高まります。

また、医師が治療経過を定期的に確認していない場合、後遺障害等級認定に必要な後遺障害診断書を作成してもらえません
ですから、整骨院への通院開始後も、整形外科への通院も並行して続けるようにしましょう。

【ポイント4】加害者の保険会社に連絡して同意を得ておく

医師の許可を得たら、加害者側の保険会社にも「医師の許可を得て整骨院に通院します」と連絡を入れておくようにしましょう。
事前に連絡して同意を得ておくことで、治療費や賠償金の支払いについて揉めにくくすることができます

なお、交通事故発生から時間が経って連絡すると保険会社から断られる可能性があるため、できるだけ早い時期に対応するようにしましょう。

ケガの治療中に弁護士に相談・依頼するメリット

交通事故の被害にあってしまった場合、弁護士に相談・依頼するメリットとして、以下のようなことがあげられます。

  • 弁護士に示談交渉を行ってもらえる
  • 慰謝料を増額できる可能性がある

弁護士に示談交渉を行ってもらえる

被害者の方ご自身が、経験豊富な保険会社と示談交渉を行うことは負担が大きいうえ、交渉が長引いてしまうおそれがあります。
弁護士であれば、任意保険会社との示談交渉を任せることができるため、ケガの治療に専念でき、保険会社の担当者と何度も連絡を取るストレスからも解放されます。

また、示談交渉が平行線となってしまった場合でも、弁護士であれば訴訟に移行して争うことも可能です。

慰謝料を増額できる可能性がある

弁護士に依頼することで、慰謝料の大幅な増額が期待できます
なぜなら、慰謝料には自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士基準(裁判所基準)の3つの算定基準があり、弁護士に依頼することで、通常もっとも高額の「弁護士基準」で慰謝料を請求することができるためです。

3つの基準による一般的な慰謝料額のイメージ 自賠責保険の基準<任意保険の基準<弁護士の基準

まとめ

交通事故の治療において、整骨院への通院は症状緩和のために有効な選択肢の一つです。しかし、そのためには「医師の許可」と「整形外科との併用」が不可欠です。
自己判断での通院は、慰謝料の減額など、被害者の方にとって大きな不利益につながるリスクがあります。
正しい知識のもとに適切な治療を受け、そして正当な賠償金を受け取るために、少しでも不安や疑問があれば、一人で悩まずに交通事故に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。

交通事故の被害はアディーレにご相談ください

交通事故の被害による賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

弁護士費用特約が付いていない方は、アディーレ独自の「損はさせない保証」により、保険会社提示額からの増加額より弁護士費用が高い場合は不足分の弁護士費用はいただかないことをお約束します。(※)
また、アディーレへのお支払いは獲得した賠償金からお支払いいただく「成功報酬制」です。(※)お手元からのお支払いはないため、弁護士費用特約が付いていない方でも安心してご依頼いただけます。

  • 委任契約の中途に自己都合にてご依頼を取りやめる場合、成果がない場合にも解除までの費用として、事案の進行状況に応じた弁護士費用等をお支払いいただきます。

弁護士費用特約を利用する方の場合は、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはり相談者の方・依頼者の方に手出しいただく弁護士費用は原則ありません

なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。
実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、相談者の方・依頼者の方は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。

また、通常、弁護士費用がこの上限額を超えた部分は自己負担となりますが、アディーレにご依頼いただく場合は、保険会社の上限を超えた分の弁護士費用は請求いたしません
お手元からのお支払いはないため、安心してご依頼いただけます。

  • 弁護士費用特約の利用を希望する場合は、必ず事前に加入の保険会社にその旨ご連絡ください(弁護士費用特約には利用条件があります)。

交通事故被害でお困りの方は、ぜひお気軽にアディーレ法律事務所にお問合せください。

この記事の監修者
石田 周平

アディーレ法律事務所

弁護士 石田 周平(いしだ しゅうへい)
資格:弁護士,行政書士(未登録)
所属:東京弁護士会
出身大学:神戸学院大学法学部,早稲田大学法科大学院
私は入所以来、一貫して交通事故を集中して取り扱う部署に在籍しており、近年は、案件に加えて新入所の弁護士を対象とした交通事故事件についての研修なども担当しています。
交通事故の被害にあってしまった方が適正な賠償金を得られるよう尽力しつつ、「少しでも事故前の状態に近い生活に戻っていただくために弁護士としてできることは何か」を考えるよう心がけています。