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後遺障害とは

高次脳機能障害の患者・ご家族の皆様へ

1.患者・ご家族の皆様へ

(1)患者の方へ

高次脳機能障害を発症した場合,患者の方は,ひとりで満足に日常生活を送ることが困難となるので,何よりも家族や周囲の方々のサポートが重要となります。高次脳機能障害は,外から見えにくい障害であるため,患者の方もひとりでなんとかしようと思ってしまいがちです。しかし,その症状緩化のためには,ご家族に相談し,手助けをしてもらうことが何よりの治療です。

人と接することが苦痛になったり,コミュニケ―ションをとることが困難になったりと,辛い思いをされるかもしれません。だからこそ,ご家族や周囲の方々の助けを受けたり,同症状の患者の方たちと交流をもったり,行政の補償や専門家によるアドバイス等の十分な手助けを受けて,人生を前向きに歩いて行ける気持ちになることが大切です。

(2)ご家族の皆様へ

ご家族にとっても,特に交通事故を機に,急に大事な家族が高次脳機能障害になってしまったことは,悲痛極まりないことでしょう。信じられないという気持ちとともに,なかなか症状を理解することが困難かもしれません。しかし,患者の方にとって,最後に頼れるのはご家族しかいません。現在の症状を理解し,受け入れ,障害に対しに前向きに対応していくことが,患者の方にとっての一番の安心・サポートになるはずです。

とはいっても,患者の方のサポートは決して簡単なものではなく,多大な苦痛・労力を強いられることもあるでしょう。ときには,「なぜ自分たちばかりがこんなに苦しい思いをせねばならないのだろう。」と悲観することもあるかと思います。

だからこそ,今できることをやる,行政や保険会社などからしっかり補償を受けるということが,必要になるのだと思います。悩んだら,行政の窓口や,専門家たる弁護士に相談してください。必ずや,道は開けるはずです。

2.支援制度等

高次脳機能障害の患者の方は,以下のような支援制度等をうまく活用することで,その生活の安定・向上を図れます。

(1)精神障害者保健福祉手帳

精神障害のため,長期にわたり日常生活又は社会生活への制約がある方を対象に,各種の優遇措置(各種税金・公共交通機関運賃・生活保護加算・公共住宅入居・公共施設入場料・携帯電話料金の割引等※各市区町村によって内容や対象は異なります。)が講じられています。手続等の詳細は,お住まいの市区町村の『精神障害者保健福祉手帳担当課』にお問い合わせください。

(2)児童手当

父に重度の障害のある家庭又は父と生計を同じくしていない家庭で18歳以下(18歳に達した日の属する年度の末日まで)の児童(児童に障害のある場合は20歳未満)を育てている方を対象に手当が支給されます。手続等の詳細は,お住まいの市区町村の『児童扶養手当担当課』にお問い合わせください。

(3)友の会などのNPO団体

「日本脳外傷友の会」といったNPO団体等が,各地に結成されています。これらの団体の活動に参加することによって,同様の症状をもった患者の方やその家族と共に励まし合い,交流会や講演会,会報などを通じて,情報交換や意見交換などを行うことができます。今もなお問題の多い高次脳機能障害の実態について,医療機関や行政に対して働きかけを行ったり,医師との対話を通じて,制度の改善や支援体制の確立等を目指しています。

(4)職業訓練支援制度

高次脳機能障害の患者は,その症状により労務に支障が生じ,職業復帰が難しいとされています。しかし,職業復帰が困難という事情は自立の妨げとなる実情があることから,各地域において,様々な機関が,「高次脳機能障害者を対象とする職業リハビリテーション」を行っています。手続等の詳細は,お住まいの地域の高次脳機能障害支援センターなどにお問い合わせください。

3.最後に

いまだ,高次脳機能障害という障害についての,社会一般の理解や認識は乏しく,その支援体制や法的整備等も十分とはいえません。ただ,少しずつその状況は改善されていくことは明らかであり,今後も裁判例や行政の動き,検査方法の充実など,高次脳機能障害をめぐる社会情勢は注意深く見守っていく必要があると思われます。

ただ,この現状をもとに,まさに最大限の「今やれること」を追求することが大切です。諦めないで共にがんばってまいりましょう。

社会全体,そして,交通事故案件を手がける弁護士も,高次脳機能障害という障害に向き合い,同障害の理解と知識の充実に努め,何よりも高次脳機能障害に苦しむ患者の方の人生に資するべく,研鑽が求められているといえるでしょう。

もっと詳しく知りたい方は
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弁護士 篠田 恵里香

日本交通法学会・日本賠償科学会

日本交通心理学会・日本交通科学学会所属・東京弁護士会所属

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