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突然のもらい事故!修理から示談までの流れを弁護士が解説

この記事でわかること
  • もらい事故で車の修理が必要になったときの流れ
  • もらい事故で加害者側に請求できる費用項目
  • 物損事故から人身事故に切り替える方法

「もらい事故のせいで車が壊れた…。修理したいけど、どんな流れで進めればいいのかわからない…」
このように悩んでいる方はいらっしゃいませんか?

このコラムでは、修理から示談までの流れはもちろん、「加害者が保険に入っていないときは?」、「車に乗せていた荷物も弁償してもらえる?」など、気になる点も併せて解説していきます。

突然の事故によって、ただでさえ不安かと思います。この記事を参考に、少しでも悩みや負担を解消していただければ幸いです。

目次

もらい事故で修理が必要になったときの示談までの流れ

もらい事故によって自動車が破損した場合、当然自動車の修理が必要になりますが、相手と連絡を取ることなく勝手に修理を進めてよいのでしょうか。また、修理代は誰が修理工場へ支払うのでしょうか。

自動車の修理にも実はいろいろな落とし穴があります。そこで、まずは事故にあったときから修理に至るまでの流れを解説します。

①加害者側の保険会社と連絡を取る

加害者が任意保険に加入し、かつ保険を利用するのであれば、保険会社が修理費用について対応をしてくれます。

まずは、修理工場の選定、アジャスター(損害車両の損害額、事故の原因および損傷部位と事故との技術的因果関係の調査確認を行う人)の派遣、修理期間中の代車手配などについて、保険会社と話合いを行いましょう。

保険会社から連絡がない場合

では、保険会社から連絡がない場合に勝手に修理を進めてよいのでしょうか。

結論から言えば、勝手に修理を進めるべきではありません。
アジャスターが実際に修理箇所を確認できなかった場合、修理費用の妥当性や損傷箇所と交通事故との因果関係が争われることがあるからです。

この場合、保険会社へ連絡して修理を進めてよいかどうか確認すべきです。そのため、事前に加害者から、加害者が加入している保険会社の連絡先を確認しておくとよいでしょう。

加害者が保険に加入していない場合

それでは、加害者が任意保険に加入していない場合はどうでしょうか。

加害者が修理工場へ修理費用を支払ってくれればよいですが、そうでない場合は被害者側で修理費用を一度立て替えなければならないことがあります。
いずれにしても、被害者ご自身で修理費用の見積りを取り、その金額を相手に請求する必要があります。

ところで、「自分の保険会社から支払ってもらえばいいのでは?」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
確かに、自分の車両保険を使うことは可能です。しかしその場合は、ご自身の保険のノンフリート等級が下がり、更新後の保険料が上がる可能性があります。そのため、車両保険を使う際は慎重に判断されたほうがよいでしょう。

保険会社とのやり取りがスムーズにできない場合

加害者が任意保険に加入していたとしても、保険会社とのやり取りがスムーズにいかず、思うように修理が進まないような場合はどうでしょうか。

この場合は、自動車が必要な理由を説明するなどして、早急に修理を進めるように保険会社と交渉する必要があります。
しかし、この交渉は簡単なものではありませんから、交通事故に詳しい弁護士などに相談されたほうがよいでしょう。

②事故車両を修理工場へ運ぶ

保険会社へ連絡したあと、事故車両を修理工場へ運び修理を開始します。自走できない場合はレッカー移動が必要になりますが、保険会社に連絡して対応してもらいましょう。

ただし、長距離のレッカー移動が必要になる場合、その必要性と相当性について争われることがあります。このような紛争を防ぐため、事前に保険会社と調整しておいたほうが無難です。

修理先は自分の信頼できるディーラーや工場があれば、そちらで修理して構いません。
もっとも、修理工場に心当たりがない場合や、修理期間中の代車が必要な場合は、保険会社に提携の工場を教えてもらうのもよいでしょう。

③修理費用の見積りを取る

工場へ車両を搬入できたら、修理費用の見積りを取ります。その後、修理工場とアジャスターが協議して協定を結ぶことで、修理費用が確定します。

ただし、保険会社側の見積りと工場やディーラーから提出される見積りは、必ずしも一致するとは限りません。保険会社としては賠償金額を低く抑えたいと考えるでしょう。そのため、修理が必要な範囲や金額の相当性に争いが生じることがあるからです。

この場合は、示談交渉において金額を協議することになります。

④示談をする

修理費用についての協定後、示談交渉を開始します。

示談交渉の過程で、賠償金額や過失割合について争いが生じることがあります。

示談交渉には専門知識が必要になるため、被害者個人で解決できないことも多いです。少しでも疑問や不安があれば、早めに弁護士への相談を検討されたほうがよいでしょう。

こうして、代車費用、評価損、休車損害など含めた物的損害の賠償金額に双方が合意すれば示談となり、その内容に従って金銭が支払われます。

加害者が非を認めなかった場合の対処法

示談交渉のなかで、加害者側から「過失相殺」や「過失割合」などの言葉が出てきたときは特に注意しましょう。

もらい事故とは被害者にまったく責任のない事故ですから、過失相殺されることはありません。それにもかかわらず、このような言葉が出てきた場合、加害者側が非を認めていない可能性があるからです。

仮に過失相殺を主張された場合、被害者側の主張を証明するために証拠を集める必要がありますが、このような作業には大きな負担を伴います。また、示談交渉で合意できない場合には訴訟に発展することもあります。

そういったケースまで想定すると、早い段階で弁護士へ相談することは、非常に有効な対処法となるでしょう。

レッカー代も対象?気になる修理費以外の請求項目

ところで、物的損害として請求できるのは修理費用だけではないことをご存じでしょうか。
修理費用とは直接関係ないように思える費用でも、実は相手に請求できる損害があるのです。主なものをご紹介します。

  1. 代車費用
    車の修理期間中に代車を使用した場合の代車使用料です。必要かつ相当と認められる範囲で、請求が可能です。
  2. レッカー費用
    車が自力走行できなくなった場合の牽引費用です。ただし、あまりに長距離となる場合などは認められない可能性があります。
  3. 車両保管費用
    修理工場に車を預けた際にかかる保管費用です。保管費用も必要かつ相当の範囲で認められるため、あまりに長期間におよぶと請求できない可能性があります。
  4. 積載物損害
    車両に積載していた物が損傷した場合の損害です。積載物の請求を希望される場合、損害状況を写真で保存しておくとよいでしょう。

このほかにも評価損や、休車損害などの損害がありますが、詳しくは「交通事故被害で請求できる損害(物損・その他)」のページで説明していますので、気になる方はご覧ください。

もらい事故で大切なのは車の修理だけではない

これまで車の修理について説明してきましたが、実はもらい事故において自動車の修理以外にも大切なことがあります。それは、身体にケガを負った場合に慰謝料を請求できる点です。

慰謝料とは、生命・身体・自由・名誉・貞操などを侵害する不法行為によって生じた精神的苦痛に対する損害賠償のことです。そのため、自動車が損傷しただけの物損事故の場合は、慰謝料を請求することはできません。

慰謝料を請求できるのは、交通事故によってケガを負うなど、人身事故である場合です。物損事故を人身事故へ切り替えるためには、警察へ診断書を提出する必要があります。ただし、事故から一定の期間が経過してしまうと、診断書を受理してもらえないことがあります。

気をつけるべきは、交通事故直後はケガを負っていないと思っていたとしても、あとから症状に気づくことがある点です。たとえば、事故直後は痛みを感じなかったが自宅へ帰宅して初めて痛みを感じた、ということもあります。

そのため、交通事故にあった場合は、必ず一度は病院で診てもらったほうがよいでしょう。

まとめ

もらい事故にあった場合の示談交渉に至る流れを説明してきましたが、特に注意しなければならないのは、示談してしまうと後戻りができないことです。

示談書には清算条項と呼ばれる条項が盛り込まれます。清算条項とは、当該示談で合意した賠償請求権以外の一切の請求権が、お互いに生じないことを確認する文言です。たとえば、示談書を取り交わしたあとにレッカー費用が請求できていないことに気づいても、清算条項を根拠に支払いを拒否されてしまうのです。

このように、もらい事故であっても、知らないうちに思わぬ損失を被ってしまうことがあるのです。

したがって、どのような流れで示談を進めればよいか、どのような費用を請求できるのか、疑問や不安のある方は、早めに交通事故に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。アディーレ法律事務所には、交通事故について豊富な実績がありますので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
稲葉 大輔
弁護士 稲葉 大輔(いなば だいすけ)
資格:弁護士
所属:第一東京弁護士会
出身大学:専修大学法学部、早稲田大学法科大学院
交通事故の被害にあって、身体的にも精神的にも大きなダメージを受けている方が多いと思います。そのような状況で保険会社から示談金を提示されても、示談すべきかどうか冷静に判断することは難しいですよね。大手保険会社の提示する金額だから適切な金額であると思ってすぐに示談してしまう方も少なくありません。残念な思いをしないで済むよう、ぜひ事前の情報収集をしていただければと思います。
本コラムが被害者の不安や疑問を解消する一助となれば幸いです。