交通事故で肩甲骨を骨折!後遺症が残ったらすべきことと慰謝料の相場

交通事故で肩甲骨を骨折して後遺症が残った場合、後遺障害等級の認定を受けることで、等級に応じた慰謝料などを加害者に請求できます。
ただし、適切な額の慰謝料などを受け取るには、どのような後遺症が「後遺障害」として認められるのか、慰謝料の相場はどのくらいか、といったことを知っておく必要があります。
そこでこのコラムでは、肩甲骨骨折による後遺障害の種類や、後遺障害が認定された場合に受け取れる慰謝料の相場などについて解説していきます。
- この記事でわかること
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- 肩甲骨骨折で認められる後遺障害の種類
- 肩甲骨骨折で認められる後遺障害等級
- 肩甲骨骨折で請求できる慰謝料の相場
- 目次
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肩甲骨骨折とは?
肩甲骨骨折とは、肩から地面に叩きつけられたりしたときに肩甲骨が折れることを指します。
肩甲骨とは、背中側の上部にあって、鎖骨や上腕骨とともに肩関節を構成する三角形の形をした左右一対の骨のことです。
肩をぐるぐる動かしたときに背中で動いている板状の骨が肩甲骨です。背中側にあるだけに、通常は骨折しにくい部位であるといえますが、歩行中またはバイクや自転車を運転中の事故で、肩や背中を地面に強く打ちつけたような場合に骨折することがあります。

肩甲骨骨折で認定される後遺障害等級と慰謝料の相場
適切な治療を受け続けたものの、肩甲骨が変形してしまった、強い痛みやしびれがあるなどの後遺症が残り、これ以上の改善は見込みにくいと医師が診断した状態を「症状固定」といいます。
そして、後遺症について後遺障害認定の申請を行い、認められた場合には後遺障害慰謝料を請求できます。
肩甲骨骨折による後遺症は、主に変形障害・機能障害・神経症状について、後遺障害として認定される可能性があります。
ここでは、これらの後遺障害に該当する等級と、等級認定後に請求できる後遺障害慰謝料の相場を見ていきます。
【関連FAQ】
症状固定は、誰が判断するのですか?
変形障害(肩甲骨が変形した)
変形障害とは、骨が元の形に治らず、変形したまま癒合した障害のことです。
肩甲骨骨折による後遺症として、変形障害が残ってしまった場合、後遺障害12級5号が認定される可能性があります。
12級5号では、後遺症の程度として、「肩甲骨に著しい変形を残すもの」であることが認定の要件となっています。
肩甲骨の「著しい変形」とは、裸になったときに肩甲骨の変形が明らかにわかる程度の変形をいいます。
そのため、肩甲骨の変形が、レントゲン写真によってはじめて発見し得る程度の変形の場合は、後遺障害として認定されません。
後遺障害12級5号:鎖骨、胸骨、肋骨、肩甲骨または骨盤骨に著しい変形を残すもの
後遺障害等級 | 自賠責保険基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
12級5号 | 94万円(93万円) | 290万円 |
- ※()内は2020年3月31日以前に発生した事故の場合
機能障害(肩関節を動かしづらい)
肩甲骨骨折による後遺症として、肩関節に機能障害が残ってしまった場合、8級6号、10級10号、12級6号の後遺障害等級が認定される可能性があります。
肩関節の機能障害とは、交通事故によるケガで、肩関節の可動域制限が残ってしまった状態を指します。
通常は左右の肩関節の可動域を比較し、強直または10分の1以下の制限、2分の1以下の制限、4分の3以下の制限という具合に、制限の程度に応じて等級が認定されます。
関節の用を廃したものである場合には8級6号、関節の機能に著しい障害を残すものである場合には10級10号、関節の機能に障害を残すものである場合には12級6号がそれぞれ認定されます。
後遺障害12級6号:1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
後遺障害10級10号:1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
後遺障害8級6号:1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
後遺障害等級 | 自賠責保険基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
8級6号 | 331万円(324万円) | 830万円 |
10級10号 | 190万円(187万円) | 550万円 |
12級6号 | 94万円(93万円) | 290万円 |
- ※()内は2020年3月31日以前に発生した事故の場合
神経症状(痛みやしびれが残った)
神経症状とは、骨折により神経系統が圧迫されて、痛みやしびれが生じることです。
肩甲骨骨折による後遺症として、痛みやしびれなどの神経症状が残ってしまった場合、12級13号、14級9号の後遺障害等級が認定される可能性があります。
局部に頑固な神経症状を残すものである場合には12級13号、局部に神経症状を残すものである場合には14級9号がそれぞれ認定されます。
後遺障害12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの
後遺障害14級9号:局部に神経症状を残すもの
後遺障害等級 | 自賠責保険基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
12級13号 | 94万円(93万円) | 290万円 |
14級9号 | 32万円 | 110万円 |
- ※()内は2020年3月31日以前に発生した事故の場合
肩甲骨骨折でよくある質問
Q.肩甲骨骨折で治療にかかったお金は加害者に請求できますか?
被害者は、治療費や入通院交通費などを加害者に請求できます。
また、入通院慰謝料なども請求することが可能です。
入通院慰謝料とは、医療機関への入院や通院を強いられたことによる精神的損害に対する補償です。
Q.肩甲骨骨折で逸失利益はもらえますか?
手首の骨折で後遺障害等級が認定された場合、被害者は加害者に逸失利益の支払いを求めることができます。
逸失利益とは、交通事故にあわなければ将来得られるはずだった収入の減少分のことです。
逸失利益の金額は下記の計算式で算出します。
基礎収入×後遺障害による労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
なお、逸失利益の請求において、収入能力や後遺障害による影響の度合いについて、争いになることも多いです。
交通事故被害に詳しい弁護士に相談することを検討しましょう。
適切な賠償金を受け取るためのポイント
交通事故にあった際、適切な賠償金を受け取るために覚えておきたいポイントをご紹介します。
弁護士基準で慰謝料を算定する
同じ後遺障害等級でも、採用する基準で慰謝料額が大きく変わってきます。
保険会社は自賠責保険基準もしくは独自の基準で算定した金額を提示してくることが多く、裁判をしたならば認められる弁護士基準(裁判所基準)で請求することにより、最終的な賠償金を増額できる可能性が高いです。

そのため、すぐに示談せず、交通事故に詳しい弁護士に一度相談されることをおすすめします。
適切な後遺障害等級の認定を受ける
後遺障害の等級に応じて、後遺障害慰謝料や逸失利益の金額が変わってくるため適切な後遺障害等級認定を受けることが大切です。
もし、肩甲骨骨折以外のケガの後遺障害が認められた場合、肩甲骨骨折の等級と併合されて等級が上がることもあります。
認定結果に納得がいかない場合、異議申立てをすることも可能です。
しかし、後遺障害等級認定の申請手続はさまざまな資料を必要とします。
また、資料に不足がないかどうかの判断には、法律的・医学的な専門知識も必要です。
そこで弁護士に依頼し、申請のサポートを受けることで適切な後遺障害等級認定の獲得を目指せます。
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まとめ
これまでみてきたように、交通事故で肩甲骨を骨折すると、後遺症が残ってしまうことがあります。後遺症が残ると、後遺症と一生付き合っていかなければならない場合もあり、日常生活に多大な支障が出ることもあります。
交通事故による肩甲骨骨折では、後遺症について適切な後遺障害等級が認定されるよう、まず後遺障害の申請をしなければなりません。
そこで、交通事故に詳しい弁護士に相談することで、後遺障害申請に関するアドバイスを受けたり、加害者側の保険会社から提示された賠償金が妥当か否かを判断してもらったりすることもできます。
また、弁護士は通常、一番高額となる弁護士基準で賠償金額を算定し、依頼者の方が適正な賠償金を受け取ることができるよう尽力しますので、被害者の方が適切な賠償金を受け取れる可能性が高まります。
交通事故の被害はアディーレにご相談ください
交通事故の被害による賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。
弁護士費用特約を利用する方の場合は、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われます。
また、通常は弁護士費用が保険会社の上限額を超えた部分は自己負担となりますが、アディーレにご依頼いただく場合は、保険会社の上限を超えた分の弁護士費用は請求いたしません。
そのため、お手元からのお支払いはないため、安心してご依頼いただけます。
- ※弁護士費用特約の利用を希望する場合は、必ず事前に加入の保険会社にその旨ご連絡ください(弁護士費用特約には利用条件があります)。
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