弁護士費用特約(弁護士特約)とは?使い方やメリットなどを詳しく解説
弁護士費用特約(弁護士特約)とは、弁護士に相談・依頼した際の費用を自身が加入している保険会社が代わりに支払ってくれるサービスです。
弁護士費用特約を使用すれば弁護士費用は実質無料となるため、弁護士に依頼したことでかえって、最終的に手元に残る金額が減ってしまうというリスクを回避することができます。
そこで、この記事では、弁護士費用特約の使い方やメリット、使用する際の注意点などについて解説します。弁護士への依頼を検討している方はぜひご確認ください。
- この記事でわかること
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- 弁護士費用特約(弁護士特約)の使い方
- 弁護士費用特約を使用した場合のメリットは多い
- 弁護士費用特約を使用する際の注意点
- 目次
交通事故の弁護士費用特約(弁護士特約)とは?
弁護士費用特約とは、交通事故の被害にあい、弁護士に相談・依頼する際の弁護士費用を保険会社が支払ってくれるサービスで、弁護士特約、弁護士費用保険などとも呼ばれています。
弁護士費用特約は、少額の保険料で自動車保険、火災保険などのさまざまな保険に付けられます。なお、これには、自動車事故のみに使用できるタイプと、自動車事故に加え日常生活でのトラブルにも使用できるタイプがあります。
また、弁護士費用の支払い上限額について、保険会社の多くは下記のように設定しています。
- 相談する場合:最大10万円
- 示談交渉を依頼する場合:最大300万円
※保険会社や契約プランによって異なります
弁護士費用特約の使い方
具体的な使い方と手続の流れについてご紹介します。
1.保険会社に連絡し、特約が使えるかを確認する
2.弁護士を探す
3.弁護士に相談・依頼する
4.保険会社に再度連絡する
下記で詳しく見ていきます。
1. 保険会社に連絡し、特約が使えるかを確認する
ご自身や家族の加入している保険会社に連絡し、特約を利用できるかどうか確認します。
弁護士費用特約は、自動車保険のみではなく、火災保険などにも付帯できます。保険会社や補償内容によりますが、火災保険に付いている弁護士費用特約を適用できる場合があります。
また、ご家族が加入する保険に付いている弁護士費用特約を利用できる可能性もあります。ご自身の加入する自動車保険以外の保険についても確認してみましょう。
【弁護士費用特約を使用できる人の範囲】
- 契約者
- 1の配偶者(内縁関係でも可)
- 2または2の同居の親族
- 1または2の別居の未婚の子
- 契約自動車に搭乗中の者
- 1~2に該当しない者で契約自動車の所有者
自動車の同乗者で、車両に弁護士費用特約が付帯している場合でも、使用できることが多いです。
- ※保険会社によって、使用できる人の範囲が変わる場合があります。
2.弁護士を探す
次に、相談する弁護士を探します。
弁護士費用特約には、弁護士への法律相談費用を補償してくれるものがありますし、弁護士事務所のなかには無料相談を行っている事務所があります。弁護士費用特約や無料相談などを利用して、信頼できる弁護士を探しましょう。
なお、弁護士にもそれぞれの得意分野がありますので、交通事故の経験豊富な弁護士を選ぶことをおすすめします。
3.弁護士に相談・依頼する
弁護士に相談し、依頼することを決めたら、弁護士費用特約を利用することを伝えましょう。
依頼後は、弁護士と保険会社の間でやり取りをしてもらえます。
4.保険会社に再度連絡する
相談・依頼する弁護士が決まったら、保険会社に弁護士費用特約を利用することを伝えます。事前に連絡しておかないと、保険金支払いの際にトラブルが生じる可能性がありますので、注意が必要です。
弁護士費用特約を使用するメリット
弁護士費用特約を使用するメリットとしては、主に下記の3つがあります。
弁護士費用を気にせずに相談や依頼ができる
弁護士費用特約を使用すると弁護士費用を保険会社が負担してくれます。多くの保険会社は負担額の上限を300万円としていること多いですが、交通事故の示談交渉では通常、弁護士費用は300万円以内におさまることがほとんどです。
ですから、弁護士費用特約を使用すれば弁護士費用は実質無料となり、費用を気にせず弁護士に相談や依頼をすることができます。
増額した賠償金から弁護士費用を引かずにそのまま受け取れる
弁護士に加害者側の保険会社との示談交渉を依頼することで、賠償金が増額する可能性があります。ですが、弁護士に依頼することで弁護士費用を支払う必要が出てきます。
ただし、弁護士費用特約を使用すれば弁護士費用を保険会社が負担してくれるため、増額した賠償金をそのまま受け取ることができます。
ご自身の希望にかなった弁護士に依頼できる
一口に弁護士といってもいろいろな弁護士がいます。そのため、どの弁護士がいいかを見極めるには一度相談してみる必要があるでしょう。
弁護士費用特約を使えば、弁護士への相談費用を10万円まで負担してくれるので、いろいろな弁護士に相談をしてみてご自分の希望に合う弁護士を探すことができます。
デメリットは基本的にない
弁護士費用特約を使用することによるデメリットは基本的にありません。
せっかく追加のお金を支払って特約を付けているのですから、使用することをおすすめします。
弁護士費用特約は特にこのようなケースで役立つ
メリットの多い弁護士費用特約ですが、特に以下のようなときにこそ使用すべきといえます。
- 軽傷事故や物損事故の場合
- もらい事故の場合
- 加害者が任意保険に加入していない場合
下記で具体的な内容を見ていきましょう。
軽傷事故や物損事故の場合
軽傷事故や物損事故のように賠償金が少額になりやすい事故の場合、増額できる賠償金よりも弁護士費用のほうが高額になってしまうことがあります。
しかし、弁護士費用特約を使うことで、費用倒れになる心配がなくなります。
もらい事故の場合
被害者の方の過失割合が0%であるもらい事故の場合、被害者の加入する保険会社は示談交渉を代行できないため、被害者の方ご自身で加害者や加害者側の保険会社と交渉しなければなりません。加害者に賠償金を支払う義務がないにもかかわらず、被害者側の保険会社が示談交渉を行うことは弁護士法違反になる(弁護士法第72条)からです。
しかし、被害者の方お一人で保険会社と交渉する場合、加害者側に都合のいい内容で示談してしまうかもしれません。
そこで、弁護士に示談交渉を依頼すれば、代わりに示談交渉をしてもらうことができます。弁護士費用特約を使って弁護士に相談・依頼することで、自ら費用を支払うことがなくなります。
つまり、実質無料で、適切な額の賠償金を受け取れる可能性を高めることができるのです。
加害者が任意保険に加入していない場合
加害者が任意保険に加入していない場合、被害者の方は加害者本人に直接、賠償金請求を行います。
その場合、被害者・加害者ともに適切な金額や進め方についての知識が十分でないため、話がまとまらない可能性が高いでしょう。また、仮に賠償金額が決まっても、加害者が支払ってくれるとは限りません。
弁護士費用特約を使用して弁護士に示談交渉を依頼するのがおすすめです。
特約を使用しても保険の等級や保険料に影響はない
交通事故で自動車保険を使用した場合には、等級が下がり、翌年以降の保険料が上がる可能性があります。
しかし、弁護士費用特約の場合は、使用しても保険の等級は下がらず、保険料が上がることもありません。そのため、安心して弁護士に相談もしくは依頼をすることができます。
保険会社から紹介される弁護士以外に依頼しても大丈夫
弁護士費用特約を使用する場合、保険会社から弁護士を紹介されることがありますが、紹介された弁護士に依頼しなくても問題ありません。弁護士費用特約の相談費用補償や無料相談などを使用して話を聞いたうえで、ご自身が信頼できると判断した弁護士に依頼されたほうがよいでしょう。
なお、弁護士にはそれぞれ得意分野があります。スムーズな解決には、交通事故の被害についてサポート経験の豊富な弁護士に相談することをおすすめします。
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弁護士費用特約を使用する際の注意点
交通事故にあい、保険証券などで弁護士費用特約が使えるとわかった場合、一刻も早く弁護士に依頼して手続を始めたい方もいらっしゃると思います。
その際に損をしないよう、弁護士費用特約を使用するときの注意点を知っておきましょう。
事前に保険会社に連絡する
弁護士費用特約の使用は下記の手順で進めます。
- ご自身や家族が加入している保険会社に連絡し、特約使用の可否を確認する
- 交通事故の示談交渉を依頼したい弁護士を探す
- 弁護士に依頼する
手続などを開始する前に、弁護士と保険会社の両方に「弁護士費用特約を使用する」と伝えましょう。特に保険会社については、事前に連絡しておかなかった場合、保険金の支払い時にトラブルが起きるおそれがあります。
保険会社の負担には上限額がある
多くの保険会社は、交通事故1件あたりの支払額の上限があります。
たとえば、下記のような場合には、弁護士費用特約の上限を超えてしまう可能性があるため注意しましょう。
- 途中で弁護士を変更して新たに着手金などが発生した場合
- 賠償額が非常に高額になる場合(賠償額に伴って弁護士費用も高額になるため)
なお、通常は上限を超えた分は自己負担になりますが、アディーレにご依頼いただく場合は、保険会社の上限を超えた分の弁護士費用は請求いたしません。
お手元からのお支払いはないため、安心してご依頼いただけます。
こんな場合は弁護士費用特約を使用できません
下記のような場合には、弁護士費用特約を使用できないため注意が必要です。
事故後に加入しても使用できない
弁護士費用特約は、交通事故のあとに加入しても使用することはできません。あらかじめ加入しておくことが必要ですので、注意しましょう。
なお、上記でも申し上げたとおり、ご自身の加入する自動車保険に弁護士費用特約が付いていない場合には、別の保険やご家族の保険に弁護士費用特約が付いていないか確認してみてください。
自動車にかかわらない事故には使えない
自動車保険の弁護士費用特約は、基本的に自動車事故のみに使用できる特約です。そのため、対象となるのは、車同士が衝突したり、歩行中に自動車にはねられたりしたようなケースに限られます。
ただし、日常生活でのトラブルにも使えるタイプの特約であれば、自転車同士の事故といった日常生活上の事故についても補償対象となる場合があります。
なお、弁護士費用特約を使用できないケースは上記以外にもあり、保険会社ごとに異なります。詳細は保険会社にご確認ください。
弁護士費用特約が付いていなくても弁護士に依頼するべき理由
ご自身の加入されている保険に弁護士費用特約が付いていない方も、下記の理由から弁護士への依頼を検討することをおすすめします。
慰謝料などの増額を交渉してもらえる
被害者の方ご自身で保険会社と示談交渉を行っても、慰謝料などの増額を認めてもらうことは難しいでしょう。
交通事故被害に詳しい弁護士に依頼することで、裁判をしたならば認められる弁護士基準(裁判所基準)を用いて主張し、増額交渉を行います。そうすることで、賠償金の大幅な増額を目指すことができます。
示談交渉や訴訟を任せることができる
被害者の方ご自身が、経験豊富な保険会社と示談交渉を行うことは負担が大きいうえ、交渉が長引いてしまうおそれがあります。
弁護士に交渉を依頼することで、保険会社との示談交渉を任せることができ、精神的な負担を軽減することができます。
また、示談交渉が平行線となってしまった場合でも、弁護士であれば訴訟に移行して争うことも可能です。
まとめ
「弁護士費用特約」の使用方法や使用するメリット、使用する際の注意点などについてご説明しました。
弁護士費用特約という言葉を聞いたことはあっても、ご自身の自動車保険などに弁護士費用特約が付いているのか、などを確認したことのない方もいらっしゃると思います。
この機会にぜひご自身が加入している保険を確認されることをおすすめします。
また、弁護士費用特約を使うデメリットは特にありません。
せっかく追加の保険料を支払って弁護士費用特約に加入しているのですから、ぜひ積極的にご活用ください。
交通事故の被害はアディーレにご相談ください
交通事故の被害による賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。
弁護士費用特約が付いていない方は、アディーレ独自の「損はさせない保証」により、保険会社提示額からの増加額より弁護士費用が高い場合は不足分の弁護士費用はいただかないことをお約束します。(※)
また、アディーレへのお支払いは獲得した賠償金からお支払いいただく「成功報酬制」です。(※)お手元からのお支払いはないため、弁護士費用特約が付いていない方でも安心してご依頼いただけます。
- ※委任契約の中途に自己都合にてご依頼を取りやめる場合、成果がない場合にも解除までの費用として、事案の進行状況に応じた弁護士費用等をお支払いいただきます。
【関連リンク】
弁護士費用特約が付いていない場合の弁護士費用
弁護士費用特約を利用する方の場合は、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはり相談者の方・依頼者の方に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。
なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。
実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、相談者の方・依頼者の方は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。
また、通常、弁護士費用がこの上限額を超えた部分は自己負担となりますが、アディーレにご依頼いただく場合は、保険会社の上限を超えた分の弁護士費用は請求いたしません。
お手元からのお支払いはないため、安心してご依頼いただけます。
- ※弁護士費用特約の利用を希望する場合は、必ず事前に加入の保険会社にその旨ご連絡ください(弁護士費用特約には利用条件があります)。
【関連リンク】
弁護士費用特約が付いている場合の弁護士費用
交通事故被害でお困りの方は、ぜひお気軽にアディーレ法律事務所にお問合せください。