鎖骨骨折で認められる後遺障害等級と慰謝料について
- この記事でわかること
-
- 後遺障害等級認定について
- 鎖骨骨折による後遺障害
- 鎖骨骨折で請求できる慰謝料の相場
今回は、鎖骨骨折で後遺症が残った場合に認められる後遺障害等級と慰謝料について解説いたします。
- 目次
後遺障害等級認定の重要性
鎖骨骨折によって後遺症が残った場合、後遺障害の等級認定申請を行います。後遺障害の等級は、「自動車損害賠償保障法施行令」で定められており、等級が認定されると、後遺症慰謝料などの後遺障害部分に関する損害を請求することができます。
一方、後遺障害等級が認定されておらず、「鎖骨骨折による後遺症が残っている」という事実だけでは、後遺症により損害が発生していたとしても、その損害について交通事故によるものであると認めてもらうことは極めて困難です。
そのため、適正な賠償金を受け取るためにも、後遺症の症状や内容などに応じた適切な後遺障害等級の認定を受けることが、非常に重要なのです。
鎖骨骨折による後遺障害
後遺障害の等級は、症状の内容や程度などにより、1級から14級まで定められています。そのうち、1級が一番上の等級として定められています。
鎖骨骨折による後遺症は、変形障害・機能障害・神経症状について、後遺障害として認定される可能性があります。
変形障害
鎖骨骨折による後遺症として変形障害が残ってしまった場合、12級5号が認定される可能性があります。
12級5号の認定要件は、「鎖骨に著しい変形を残すもの」です。「著しい変形」とは、裸になったときに鎖骨の変形が明らかにわかる程度の変形をいいます。そのため、エックス線(レントゲン)写真によって、はじめて発見し得る程度の変形の場合は、後遺障害として認定されません。
機能障害
鎖骨骨折による後遺症として肩関節の機能障害が残ってしまった場合、その程度により8級6号、10級10号、12級6号が認定される可能性があります。
後遺症の程度について、「関節の用を廃したもの」であれば8級6号、「関節の機能に著しい障害を残すもの」であれば10級10号、「関節の機能に障害を残すもの」であれば12級6号の後遺障害等級となります。
神経症状
鎖骨骨折による後遺症として痛みやしびれなどの神経症状が残ってしまった場合、その程度により12級13号、14級9号が認定される可能性があります。
「局部に頑固な神経症状を残すもの」であれば12級13号、「局部に神経症状を残すもの」であれば14級9号の後遺障害等級となります。
後遺症慰謝料の3つの基準
ここからは後遺症の慰謝料について見ていきましょう。後遺症慰謝料の算定にあたり、自賠責保険基準、任意保険基準、裁判所基準の3つの基準が存在します。
自賠責保険基準
自賠責保険の支払基準です。自賠責保険は被害者救済のため最低限の補償をするものですので、3つの基準のなかでは最も低額となります。
任意保険基準
各任意保険会社が独自に設定している支払基準です。一般に、どの程度の金額であるかは公表されていません。
裁判所基準
過去の裁判例をもとに設定されている支払基準で、3つの基準のなかでは最も高額となります。
鎖骨骨折による後遺障害が認定された場合の慰謝料
鎖骨骨折による後遺障害が認定された場合、後遺症慰謝料の金額はどうなるのでしょうか?
変形障害・機能障害・神経症状について、それぞれ自賠責保険基準と裁判所基準の算定額を比較してみていきましょう(2020年4月1日以降に発生した交通事故の場合)。
自賠責保険基準と裁判所基準では、後遺症慰謝料の金額に大きな差があることがおわかりいただけると思います。
変形障害が認められた場合
等級 | 自賠責保険基準 | 裁判所基準 |
---|---|---|
12級5号 | 94万円 | 290万円 |
機能障害が認められた場合
等級 | 自賠責保険基準 | 裁判所基準 |
---|---|---|
8級6号 | 331万円 | 830万円 |
10級10号 | 190万円 | 550万円 |
12級6号 | 94万円 | 290万円 |
神経症状が認められた場合
等級 | 自賠責保険基準 | 裁判所基準 |
---|---|---|
12級13号 | 94万円 | 290万円 |
14級9号 | 32万円 | 110万円 |
まとめ
これまでみてきたように、交通事故による鎖骨骨折では、場合により後遺症が残ってしまうことがあります。
交通事故に詳しい弁護士であれば、鎖骨骨折の後遺症について適切な後遺障害の等級が認定されるよう、等級認定申請のお手伝いができます。また、後遺症の内容や程度に応じた適切な後遺障害等級が認定されているかどうかを判断することもできます。
アディーレ法律事務所では、一番高額となりうる裁判所基準での賠償額を算定したり、加害者側との交渉を行ったりして、被害者の方がより適正な賠償金を受け取ることができるよう尽力いたします。
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