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併合、相当、加重って何?知っておきたい後遺障害等級認定のルール

[ 公開日:2022/01/26 ] [ 更新日:2022/09/03 ]
後遺障害の等級認定に際し、「併合」・「相当」・「加重」というルールに沿って認定が行われることがあります。それでは、「併合」・「相当」・「加重」とは、どのような場合に用いられるのでしょうか?

今回の記事では、交通事故の後遺障害等級認定で出てくることがある「併合」・「相当」・「加重」について説明します。
この記事でわかること
  • 後遺障害が複数存在した場合の認定ルール
  • 後遺障害等級における「相当」の意味
  • 後遺障害が「加重」と評価された場合の保険金支払いのルール
  • 後遺症慰謝料の相場
目次

後遺障害等級認定の「併合」・「相当」・「加重」とは

「併合」:2つ以上の後遺障害が認定された場合

1回の交通事故で複数箇所を受傷し、複数の箇所に後遺障害が残ってしまう場合があります。
たとえば、手と足それぞれに後遺障害が残ってしまったような場合、後遺障害の等級はどのように認定されるのでしょうか?
このような場合には、併合のルールにより、最終的に1つの後遺障害等級が決定されます。

併合の基本的なルールは次のとおりです。

  • 5級以上の後遺障害が2つ以上ある場合には、もっとも重い後遺障害等級を3つ繰り上げる
  • 8級以上の後遺障害が2つ以上ある場合には、もっとも重い後遺障害等級を2つ繰り上げる
  • 13級以上の後遺障害が2つ以上ある場合には、最も重い後遺障害等級を1つ繰り上げる
  • 14級の後遺障害が2つ以上ある場合には、14級のまま

ただし、すべてのケースで併合というルールが適用されるわけではありませんので、注意が必要です。「後遺障害認定の結果が届いたけれど、内容がよくわからない」という方は、弁護士に相談することをおすすめします。

「相当」:後遺障害等級表に定められていない後遺障害が残った場合

後遺障害等級表に定められていない後遺障害であっても、各等級の後遺障害に相当するものは、その等級に相当するものとして、後遺障害等級が認定されます。
具体例として、以下の後遺障害が挙げられます。

  • 嗅覚脱失や味覚脱失(12級相当)
  • 嗅覚減退(14級相当)
  • 外傷性散瞳(11級相当、12級相当、14級相当)
  • 上肢における動揺関節(10級相当、12級相当)
  • 下肢における動揺関節(8級相当、10級相当、12級相当)

「加重」:交通事故にあう前から障害が存在していた場合

交通事故にあう前から障害があり、交通事故によってその障害の程度が重くなって上位の後遺障害等級に該当することとなった場合には、加重という考え方に基づき後遺障害等級が認定されます。この「交通事故にあう前からある障害」については、交通事故が原因である障害に限定されません。

加重と認定された場合には、既にある障害の等級に対応する金額を控除した保険金額が支払われることとなります。
たとえば、昔の交通事故で14級の後遺障害が認定されており、今回の事故で同一部位について12級の後遺障害が認定された場合、自賠責保険からは12級の保険金額から14級の保険金額を控除した金額が支払われます。

後遺障害等級が認定された場合の慰謝料について

慰謝料には3つの基準がある

後遺症慰謝料の算定においては、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準(裁判所基準)の3つの基準が存在します。

自賠責基準は、自賠責保険の支払の基準です。自賠責保険は被害者救済のため最低限の補償をするものですので、通常、3つの基準の中ではもっとも低額となります。
任意保険基準は、各任意保険会社独自の基準です。任意保険基準は公表されていません。
弁護士基準(裁判所基準)は、過去の裁判例をもとに設定されている基準で、通常、3つの基準の中ではもっとも高額となります。

後遺症慰謝料について、自賠責保険基準と弁護士基準を比較すると、次のようになります。

後遺障害等級 自賠責保険基準(※1) 弁護士基準(※2)
第1級1150万円2800万円
第2級998万円2370万円
第3級 861万円1990万円
第4級737万円1670万円
第5級618万円1400万円
第6級512万円 1180万円
第7級419万円1000万円
第8級331万円830万円
第9級249万円690万円
第10級 190万円550万円
第11級136万円420万円
第12級94万円290万円
第13級57万円 180万円
第14級32万円110万円

※1 上表の自賠責保険基準の後遺症慰謝料額は、令和2年4月1日以降に発生した事故における金額を記載しております。介護を要する後遺障害の場合は、「第1級1650万円」、「第2級1203万円」と定められています。
※2 後遺症慰謝料については、被害者の境遇や、加害者の対応、事故の状況に応じて増減しますので、一応の目安としてお考えください。

後遺症慰謝料以外に請求できるもの

交通事故の被害者は、後遺症慰謝料以外にも次のような損害について、加害者に請求することができます。

  • 治療費
  • 入院雑費
  • 通院交通費
  • 休業損害
  • 入通院慰謝料
  • 逸失利益   など

交通事故の損害賠償請求において、加害者側へ請求し得る損害項目は多岐にわたります。相手方保険会社からの示談の提案内容について、少しでも疑問がある場合には、交通事故に詳しい弁護士に相談した方がよいでしょう。

まとめ

後遺障害の認定には「併合」・「相当」・「加重」というルールがあり、これらのルールは、交通事故の被害者の方にはわかりにくいことも多いと思います。 後遺障害認定の結果が届いたけれど、「併合」・「相当」・「加重」等の記載があり内容がよくわからない、適切な後遺障害等級が認定されているのかわからないという方は、ぜひ一度弁護士に相談することをおすすめします。
交通事故に詳しい弁護士であれば、後遺症の内容・程度等に応じた適切な後遺障害の等級が認定されているか否かを判断することができるでしょう。また、通常、もっとも高額となる弁護士基準で損害賠償金額を算定し、被害者の方が適正な損害賠償金額を受け取ることができるよう尽力します。

アディーレ法律事務所では、交通事故の被害にあわれた方からのご相談を承っております。些細なことでも構いませんので、ぜひアディーレ法律事務所へご相談ください。

この記事の監修者
弁護士 二里木 弓子(にりき ゆみこ)
資格:弁護士,司法書士(有資格)
所属:東京弁護士会
出身大学:静岡県立大学国際関係学部(中退)

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