Q顔に大きな傷が残ってしまいました。働くことができないわけではないですが,この場合でも労働能力の喪失は認められますか?
A
外貌醜状が認められた場合の後遺障害の等級は,その症状の程度により7級~14級まで定められています。顔面など外貌に醜状が残った場合は,手足や身体に機能障害が残った場合とは異なり,身体的な機能そのものに支障があるわけではありません。そのため,直接的には労働能力が喪失したとはいえない場合があります。
しかし,芸能人・モデルなど,外貌が重要な職業に就いている場合に限らず,外貌醜状が残ったことで,就ける職業・職種が限定されたり,仕事に何らかの支障が出たりするおそれもあるものです。そのため,労働能力に影響があったとして逸失利益が認められるケースも多くあります。
また,就業前の若年者については,外貌醜状により消極的になるなど,将来の職業選択に影響があるとして,逸失利益が認められるケースも少なくありません。
ただし,提示された逸失利益の金額が適切でないこともありますので,そのような際は,粘り強く任意保険と交渉する必要があります。