交通事故被害者です。加害者の刑事処分の結果を知りたいのですが、どうしたらいいでしょうか?
事件を担当した警察署に問い合わせれば、捜査の状況などについて支障のない範囲で知らせてもらえます。
刑事処分の結果を知るための流れは下記のとおりです。
- 事故を担当した警察署に問い合わせる
- 検察庁に問い合わせる
- 担当検察官に情報を確認する
1. 事故を担当した警察署に問い合わせる
まず、交通事故証明書に記載されている事故を担当した警察署に電話をかけましょう。この際、以下の事項を伝えてください。
・交通事故証明書に記載されている事故の内容(発生日時、場所など)
・ご自身がその事故の被害者であること
・事件が検察庁に送られた(送致された)かどうか
事件がまだ警察署にとどまっている場合
この段階ではまだ刑事処分は決まっていません。警察官に「事件が検察庁に送られるタイミングで、検察庁の連絡先や事件番号(検番)を教えてほしい」と伝えておくとよいでしょう。
また、警察に対して「被害者等通知制度を利用したい」と申し出ておけば、その後の情報が通知される可能性があります。
事件が検察庁に送られている場合
警察官から、どこの検察庁に送られたのか、および検察庁で事件を管理するための番号である「検番」を確認してください。
この情報は、検察庁に問い合わせる際に必要となります。
2. 検察庁に問い合わせる
事件が検察庁に送られたことを確認後、その検察庁に電話をかけます。
電話では、以下の事項を伝えてください。
- 交通事故の被害者として、加害者の刑事処分の結果を知りたい旨
- 加害者の氏名
- 警察で確認した「検番」(事件番号)
- 交通事故の発生日時や場所などの詳細情報
担当部署(通常は交通事件を扱う部署)に繋がり、必要な情報を伝えると、担当の検察官に取り次いでもらえることがあります。
3. 担当検察官に情報を確認する
担当の検察官に繋がったら、以下の重要な情報を確認しましょう。
加害者が「起訴」されたか「不起訴」となったか
起訴は、 検察官が加害者を刑事裁判にかけると判断した場合です。
不起訴は、 証拠不十分などの理由で、刑事裁判にかけないと判断した場合です。
不起訴の理由(例:嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予など)も確認できる場合があります。
裁判が確定しているかどうか(加害者が起訴された場合)
裁判が確定している場合、その刑事処分の最終結果(例:懲役〇年、禁錮〇年、罰金〇万円など)が判明します。
この情報は、後日、実況見分調書や供述調書といった刑事記録を取り寄せる際に必要となる場合があります。
被害者等通知制度の活用
上記のような個別での問合せに加えて、被害者等通知制度を利用することも有効です。
これは、検察庁に対し、加害者の刑事手続きの状況や結果について通知を希望する旨を伝えておく制度です。
一度希望を伝えておけば、その後の手続の節目ごとに検察庁から書面などで結果が通知されるため、ご自身で何度も問い合わせる手間が省けます。
検察官に問い合わせる際に、この制度の利用希望も伝えておくとよいでしょう。
交通事故全般のよくある質問
- 刑事記録は、どのように入手したらよいのでしょうか?
- 交通事故被害者です。加害者の刑事処分の結果を知りたいのですが、どうしたらいいでしょうか?
- 物損事故から人身事故へ切り替えるには具体的にどうしたらよいのですか?
- 弁護士に依頼すると、必ず裁判になってしまうのでしょうか?
- 加害者は、どうして交通事故を物損事故扱いにしようとするのですか?
- 警察から「交通事故から時間が経っているので、物損事故から人身事故への切り替えはできない」と言われてしまいました。どうしたらよいですか?
- 交通事故でケガをしたのに警察への届け出が物損事故扱いです。今後の手続で不利になりますか?
- 弁護士に相談するタイミングはいつがいいのでしょうか?
- 弁護士に依頼をすると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
- 交通事故証明書は、どのように入手したらよいのでしょうか?
- 交通事故に遭ったら、まずどうすればいいのでしょうか?