給与所得者の場合、逸失利益はどのように算出すればよいのでしょうか?
給与所得者の後遺症による逸失利益は、通常、「基礎収入×労働能力喪失率×中間利息控除係数」で計算します。
基礎収入について
原則として、事故前の収入を基準とします。給与所得者の収入額は、収入証明書または源泉徴収票を基にして算出します。
収入証明書を発行してもらえない等の何らかの事由により、収入を証明する資料を集めることができないときは、賃金センサスの第1巻第1表の男女労働者別平均給与額または年齢別平均給与額によって算出する場合もあります。
現実の収入額が統計の平均給与額よりも低い場合には、平均賃金が得られる蓋然性がない限り、原則として現実の収入額を基礎として算定します。
将来の昇給については、公務員、大企業の従業員などのように給与規程、昇給基準が確立されている場合には考慮されます。なお、中小企業であっても将来昇給することが明らかであれば、昇給が認められる余地はあります。
ただし、将来のベースアップについては、そのときの社会情勢や景気という要素が不確定で、予測し難いと否定される例が少なくありません。
労働能力喪失率について
労働能力喪失率とは、後遺障害によってどれくらい労働能力が失われたかという割合です。後遺障害の等級によって異なり、5~100%で設定されています。
中間利息控除係数について
「ライプニッツ係数」とも呼ばれ、将来にわたる損害賠償金を前倒しで受け取るために、賠償額を現在の価値に引き直すための係数です。
保険会社の提示してきた示談金額が妥当なのかわかりません。
治療費や通院交通費についてはともかくとして、入通院慰謝料、休業損害、後遺障害による慰謝料、あるいは逸失利益といった項目については、専門家でなければ判断がつきにくいところです。保険会社は、裁判になった場合に認められる正当な損害賠償額よりも低い額しか提示してこないことがよくあります。最終的に示談してしまう前に、金額の妥当性については、交通事故に詳しい弁護士に相談したほうがよいでしょう。
後遺障害の等級認定によって、賠償額はどのように変わるのですか?
まず自賠責保険では、後遺障害の等級によって後遺障害の逸失利益や慰謝料についての賠償額が決められています。また、任意保険基準(各保険会社が定めている自社の支払基準)や裁判所基準(裁判をしたならば認められる基準)も後遺障害の等級を基準にして支払われています。なお、自賠責保険の支払基準は以下の表となります。
自賠法施行令別表Ⅰ・介護を要する後遺障害に適用
()内は保険金総額
| 後遺障害等級 | 慰謝料額 |
|---|---|
| 第1級 | 1600万円(4000万円) |
| 第2級 | 1163万円(3000万円) |
自賠法施行令別表Ⅱ・別表Ⅰ以外の後遺障害に適用
()内は保険金総額
| 障害等級 | 額 |
|---|---|
| 第1級 | 1100万円(3000万円) |
| 第2級 | 958万円(2590万円) |
| 第3級 | 829万円(2219万円) |
| 第4級 | 712万円(1889万円) |
| 第5級 | 599万円(1574万円) |
| 第6級 | 498万円(1296万円) |
| 第7級 | 409万円(1051万円) |
| 第8級 | 324万円(819万円) |
| 第9級 | 245万円(616万円) |
| 第10級 | 187万円(461万円) |
| 第11級 | 135万円(331万円) |
| 第12級 | 93万円(224万円) |
| 第13級 | 57万円(139万円) |
| 第14級 | 32万円(75万円) |







