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交通事故で壊れた車の修理代は全額請求できる?補償額に納得できない場合の対処法も解説

事故車両の修理費用

交通事故で車の修理が必要な場合、修理費用を加害者側に請求することができます。また、修理に伴って必要となる代車費用やレッカー費用なども場合により請求できることがあります。

ただし、修理費用は請求したからといって必ず支払われるとは限らず、加害者側ともめてしまうことも多いです。
そこで、この記事では、交通事故により車が壊れた場合に請求できる費用とその相場に加えて、適切な修理費用を受け取るために知っておくべきポイントなどをご説明します。

この記事でわかること
  • 加害者側に請求できる修理費用とその相場
  • 修理費用を全額支払ってもらえないケースもある
  • 適切な修理費用を受け取るために知っておくべきこと
目次

車の修理が必要な場合に加害者側に請求できる費用

車の修理が必要になった場合に加害者側に請求できる主な物的損害としては、自動車の修理費用や代車費用、レッカー費用などが挙げられます。そのほか、事故車両に積んでいた荷物などの破損に関する費用などについても請求できることがあります。

以下で、交通事故の被害者が請求できる物的損害の種類や相場、請求する際に注意したいポイントを解説します。

①事故車両の修理費用

多くの場合、事故により損傷した自動車の修理費用は加害者側に請求できます。修理費用は、車を持ち込んだ修理工場の見積もり金額を基準として話合いによって決定されますが、請求できる金額は、交通事故との因果関係が認められる範囲に限られます(民法第416条)。

したがって、交通事故とまったく関係のないキズを修理することや、鈑金で修理可能であるにもかかわらず交換を行うなど、修理内容に相当性が認められない場合は、請求の一部を否定されるおそれがあります。

車の種類や破損状態にもよりますが、約10万円~50万円が相場で、それを超える場合には全損扱いになる可能性があります。

修理代の全額を支払ってもらえないケース

車両が全損と判断された場合、修理代の相場は車の時価額(走行距離や使用年数などを考慮して計算される車の価値)が賠償金の限度となります。

【交通事故における車両の全損】
・車両の損傷が激しく物理的に修理ができない状態
・修理自体は可能ではあるものの修理代金が事故車両の時価額を超える状態

なお、車両が全損した場合には、買い替え費用(車の時価に相当する補償金)を請求していくことになります。

②レンタカー費用(代車費用)

自動車を修理する場合、修理期間中は乗っていた自動車を利用できません。そのため、修理中は代わりの自動車が必要となり、レンタカーを借りることがあります。その際、レンタカー費用(代車費用)を加害者側に請求できます。
代車は、修理工場から借りる場合と、レンタカー会社からレンタカーを借りる場合があります。

代車を借りるときの注意点

代車費用として請求できる賠償金は、以下の点が認められる範囲に限定されます。

・代車やレンタカーを借りる必要性がある
・車を借りるのに適切な額である

「代車やレンタカーを借りる必要性がある」とは、車を営業や配達などの業務で使用していた場合などです。通勤や買い物での使用という理由では代車費用は認められないことがほとんどですので、注意しましょう。

また、事故車と同クラスの営業車がある場合や、修理期間を超える場合のレンタカー代などは、請求が認められない可能性があります。個別の事情により異なりますが、レンタカーを借りる期間は2週間程度が合理的な期間とされています。

なお、事故車両が軽自動車であるにもかかわらず高級外車をレンタルするなど、一般的に考えておかしいと判断される場合には、同クラスのレンタカー費用を超える部分についての請求が否定される可能性があります。

③レッカー費用

事故現場で事故車両が動かなくなってしまった場合には、事故車をレッカー移動して修理工場へ運ぶ必要があります。この場合のレッカー費用を相手に請求できます。

もっとも、レッカー費用も代車費用同様、必要性と相当性が認められなければなりません。そのため、必要以上に長距離のレッカー移動をした場合などは、請求の一部が否定される可能性があります。

なお、自動車保険には、レッカー費用について補償する特約があるので、被害者ご自身が加入する保険を確認してみてください。

④損害賠償請求できるそのほかの費用

これまでご説明した修理費用など以外にも、加害者側に請求できる可能性のある費用があります。

  1. 保管料
    事故車を修理工場などに一時的に保管することがありますが、これにかかった費用を相手に請求できることがあります。
  2. 登録諸費用
    事故車が全損となった場合、購入時に支払った廃車費用や、代わりの自動車を購入したときの登録関係費用を請求できることがあります。
  3. 休車損害
    事故車が営業車両であった場合、自動車を利用できなかった期間の営業上の損失を請求できることがあります。
  4. 積載物損害
    事故のときに事故車両に積載していた物が損傷した場合、その修理費用または時価額を請求できることがあります。
  5. 評価損
    交通事故で損傷した車両の事故前と修理後の車両価格の差のことです。車両を修理して修復できたとしても、事故車両であることを理由に、車両の価値が低下してしまうことがあります。

修理費用などの支払方法は過失割合の有無で変わる

ここでは、実際にかかった修理費用などの支払方法をご説明します。支払方法は、被害者の過失割合の有無により変わります。

過失割合が被害者にまったくない場合(過失割合0:10の場合)

被害者に過失がまったくない事故とは、停車中の追突事故などといったもらい事故のことです。この場合は、相手方の保険会社から修理業者およびレンタカー会社等へ費用が直接支払われることが多いです。そのため、加害者側の保険会社に支払いを任せればよいでしょう。

被害者側にも過失割合がある場合

被害者にも過失割合がある場合には、示談成立後に加害者側の保険会社から賠償金として修理業者等へ支払われることが多いです。

ただ、示談交渉が長期化した場合、修理業者等への代金の支払期日が来てしまうことがあります。
この場合、被害者が一時的に費用を立て替えて支払うか、ご自身の加入している保険で支払うなどの対応が必要です。もっともご自身で加入している保険で支払う場合には、自動車保険の等級が下がり、翌年以降の保険料に影響が出る可能性があるため、ご加入の保険会社とよく相談することをおすすめします。

適切な修理費用を受け取るためのポイント

加害者や加害者側の保険会社が、こちらの要求どおりに修理費用などを支払ってくれるとは限りません。
そこで、保険会社とのやり取りで気を付けるべきことや、金額に納得できない場合の対応を解説いたします。

修理費用などの請求には時効がある

修理費用などの物的損害の場合は、「被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知ったときから3年間」(民法第724条)で時効となり、賠償請求権が消滅します。
そして交通事故の場合、事故発生の時点で「損害および加害者を知った」といえるので、事故日を起算点とします。
したがって、原則として事故発生の翌日から3年以内に加害者に請求する必要があります。ただし時効の更新手続を行った場合はこの限りではありません。

過失相殺で減額される可能性がある

示談交渉の際、加害者側から被害者の過失を主張されることがあります。交通事故における過失とは交通事故の原因となった不注意のことで、その不注意の度合いが「過失割合」です。被害者にも過失が認められる場合、過失割合に応じて、被害者に支払われる修理費用などが減額されてしまいます(過失相殺)。

たとえば、被害者に2割の過失割合が付いてしまった場合、本来請求できる修理費用が40万円だったとしても、支払ってもらえるのは32万円だけで、8万円は自己負担となってしまいます。

示談する前に請求する

示談とは、民事上の紛争を裁判によらず、当事者同氏の話合いによる合意で解決することです。示談する場合に取り交わす示談書には清算条項が盛り込まれますが、これは示談書に定める以外一切の請求権が、お互いに生じないことを確認する内容です。
つまり、一度示談してしまうと、原則として示談書に記載されていない損害については請求できなくなります。

したがって、相手に請求したい費用がある場合には、必ず示談前に相手に請求しましょう。
「この内容で示談して大丈夫なのか」、「ほかに請求できる費用はないか」、といった疑問をお持ちの方は、示談する前に交通事故に詳しい弁護士に相談されるのがおすすめです。

修理費用や過失割合に納得できないなら弁護士に相談

加害者側の保険会社と交渉したものの、修理費用や過失割合について主張どおりに認めてもらえないケースは多くあります。これは、保険会社の担当者には交通事故の知識や交渉経験があり、優位に交渉を進められることが多いからです。
しかし、修理費用と過失割合は賠償金額に直結する重要な要素です。安易に示談してしまうと、思わぬ不利益を受けてしまう可能性があります。

また、示談交渉は主に保険会社の営業時間内である平日の午前9時から午後5時の間で行うことが多いです。被害者の方が平日お仕事をされている場合、ご自身で交渉するのは大きな負担となるでしょう。

そこで、保険会社との示談交渉で納得できない点がある場合には、交通事故被害に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士が被害者の方に代わって保険会社と交渉することで、納得できる修理費用や適切な過失割合を獲得できる可能性が高まるうえ、被害者の方の負担が軽減されます。
また、後日痛みなどの症状が出てきた場合には人身損害についても弁護士に依頼することで、慰謝料などを大幅に増額できる可能性があります。

交通事故の被害はアディーレにご相談ください

交通事故の被害による賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

弁護士費用特約が付いていない方は、アディーレ独自の「損はさせない保証」により、保険会社提示額からの増加額より弁護士費用が高い場合は不足分の弁護士費用はいただかないことをお約束します。(※)
また、アディーレへのお支払いは獲得した賠償金からお支払いいただく「成功報酬制」です。(※)お手元からのお支払いはないため、弁護士費用特約が付いていない方でも安心してご依頼いただけます。

  • 委任契約の中途に自己都合にてご依頼を取りやめる場合、成果がない場合にも解除までの費用として、事案の進行状況に応じた弁護士費用等をお支払いいただきます。

弁護士費用特約を利用する方の場合は、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはり相談者の方・依頼者の方に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。

なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。
実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、相談者の方・依頼者の方は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。

また、通常、弁護士費用がこの上限額を超えた部分は自己負担となりますが、アディーレにご依頼いただく場合は、保険会社の上限を超えた分の弁護士費用は請求いたしません。
お手元からのお支払いはないため、安心してご依頼いただけます。

  • 弁護士費用特約の利用を希望する場合は、必ず事前に加入の保険会社にその旨ご連絡ください(弁護士費用特約には利用条件があります)。
この記事の監修者
村松 優子

アディーレ法律事務所

弁護士 村松 優子(むらまつ ゆうこ)
資格:弁護士
所属:愛知県弁護士会
出身大学:愛知大学法学部

私は,司法試験を目指した当初から,親しみやすい法律家になりたいと考えていました。それは,私自身が弁護士に対して,なんとなく敷居が高そうというイメージを抱いていたからです。私は,司法試験に合格した後,学生時代の友人から,合格しても何にも変わらないね,安心したと言われました。弁護士になった後も,昔と変わらないねと言われ続けたいです。私は,ただすこし法律を勉強しただけで,そのほかは普通の人と何ら変わりはありません。なので,どんなことでも気軽に相談してください。